◆モーセの十誡(モーセの十戒) 一、”モーセ” モーセ [Moses]〔モーゼとも〕:古代イスラエル民族の伝説的指導者。紀元前一三世紀頃の人。 エジプトでのイスラエル人の窮状を見て、彼らを率いてエジプトを脱出。40年の荒野放浪ののち、 約束の地カナンへ導いた。この間シナイ山で十戒を授かり、ヤハウェとイスラエル人との「契約」を仲介した(goo 辞書)。 二、 ”モーセの十誡”について A 本書によると、 「わたしはあなたの神、主であって、あなたをエジプトの地、奴隷の家から導き出し た者である」という宣言に続いて、律法の告知がありました (「律法」とは、神により祭司や預言者を通して与えられる宗教や倫理生活上の規範。)。 ①「あなたは私に対して他の神をもってはならない。 ②あなたはあなた自身のために像を造ってはならない。 ③あなたはあなたの神ヤハウェの名をみだりに唱えてはならない。 ④安息日を聖日として記憶せよ。 ⑤あなたの父とあなたの母を敬え。 ⑥あなたは殺してはならない。 ⑦あなたは姦淫してはならない。 ⑧あなたは盗んではならない。 ⑨あなたはあなたの友人に対して偽証を立ててはならない。 ⑩あなたはあなたの友人の家を欲しがってはならない」。 B 「Wikipedia」によると、正教会・プロテスタント(ルーテル教会以外)の場合、 ①主が唯一の神であること ②偶像を作ってはならないこと(偶像崇拝の禁止) ③神の名を徒らに取り上げてはならないこと ④安息日を守ること ⑤父母を敬うこと ⑥殺人をしてはいけないこと ⑦姦淫をしてはいけないこと ⑧盗んではいけないこと ⑨偽証してはいけないこと ⑩隣人の家をむさぼってはいけないこと C 同じく、カトリック教会・ルーテル教会の場合、 わたしはあなたの主なる神である。 ①わたしのほかに神があってはならない。 ②あなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない。 ③主の日を心にとどめ、これを聖とせよ。 ④あなたの父母を敬え。 ⑤殺してはならない。 ⑥姦淫してはならない。 ⑦盗んではならない。 ⑧隣人に関して偽証してはならない。 ⑨隣人の妻を欲してはならない。 ⑩隣人の財産を欲してはならない。 このモーセの十誡は、旧約聖書の中で、最も根本的な律法であり、 何人も、神と契約した場合においては、絶対にこれを犯すことは出来ないと云う 厳しいものであった。 前掲の三つの戒律は、即ち宗派によって異なる。 と云うことは、モーセの授けられた本当の戒律とは如何なるものなのか、 と云う疑問が残る。 例えば、偶像崇拝の禁止については、宗教宗派によって異なった考え方をしている。 しかし、神は、唯一絶対であることには変りはない……。 (以上が)いわゆる”モーセの十戒”である。 物語ではこれに民の誓いの言葉が続く。イスラエルの民は、異口同音に、誓っていう。 「わたしたちは、それをみな行ないます」と。 主題は明瞭である。それは疑いなく、神との契約にもとづく 「ヤハウェ共同体」の成立を告げている。 その時がいつであり、その場所がどこであったか。それを確かめることはできないが、 そのために、主題に込められた意義が損なわれてはいない。 〔律法の項参照〕 |
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