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歌枕の「錦木(錦織木)」とは

 
 以上を勘案すると、鹿角辺りにおいては、紫根染に欠かせないものは錦織木、つまり ニシキギ(錦木)と云うことになる。
 錦織木は、深山の、それも険しい沢筋でなければ生えていない。老齢者や子女では錦 織木の採取は不可能であるので、そのような家では、若者が採って来た錦織木を必要と したのである。つまり、若者を婿に迎え、錦織木を採らせる必要があったのである。
 よって、歌枕の「錦木ニシキギ」とは、ハイノキ科のサワフタギと結論付けられると考え る。
錦織木ことサワフタギ
錦織木 H14.06.10
 
 秋田県「鹿角(一部岩手県なども含む)」の特産品として、奈良・平安時代の頃から紫 根染織物や砂金などが都に知られていました。
 そのため陸奥の奥地にも拘わらず、貴族達の荘園として経営されていたものと思われ る。荘園「鹿角の郷」はそのため、「京の里」とも呼ばれ、貴族間で時々譲渡が行われ ていた。譲渡の度に荘園を直接管理するため、都より責任者が派遣された。その一人が 「錦木塚伝説」に語られる政子姫の親(一族)であったのである。
 しかして、土人として身分の低い若者の恋いは、遂に実らなかった。そして、この悲 恋物語は、時を経ずして都中に広まったものと考えられるのである。
 因みに「鹿角」は、更に時を経て馬(南部駒)や杉(アキタスギの酒樽)、銅の産地 としても、全国に知られることになった。  SYSOP

[参照]元慶の乱のこと〈蝦夷との交易〉の項(ここは鹿角→鹿角の時は流れ行く→鹿角の歴史点描→鹿角の歴史年表)
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