「松館今昔:生き物あれこれ」

苦手な生き物

 苦手な生き物の第一番は、回虫であった。
 不適切な下肥処理のためだろうと思うが、幼児期は度々悩まされた。
 
 次は、ヒロ(蛭)であった。
 私共の子供の頃は、タ(田んぼ)にも、ナシロ(苗代)にも、ヒロがウヨウヨ 泳いでいた。一寸の間、泥から足を抜かないでいると、すぐに吸い付かれた。 そこいら中に聞こえる大きな声で泣いたことがあった。正に「恐怖のヒロ」 であった。
 
 次は、胡麻の葉を食べる虫(スズメ蛾の幼虫か)であった。
 私の家では、よく尾去平に僅かながら胡麻を栽培していた。生長が盛んになる頃、 大きな幼虫が、何匹も何匹もゴマの葉を丸ごと食い荒らす。体長7〜8cmもある、 大きな、気味の悪い幼虫であった。 恐る恐る地面に払い落として、踏みつけたものでした。
 
 シガリ(地蜂)は、宅地の端にも営巣していた。知らずに足で荒らしたら、 刺された。痛かった。すると、近くの先輩が、「ハクソ(歯糞)つけろ。 ハクソ(歯糞)つけろ。シグ治るガラ」……。
 
 アシナガバヂ(足長蜂)の被害はしょっ中あった。宅地の一寸した藪に 営巣するので、何時も悩まされた。
 
 虻の類、夜蚊など蚊の類なども、一寸里山へ行くと、刺されたり、食われたり した。毛虫の類や蛇の類、アガハラ(イモリ)の類などなども……。

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