河川とは、下タ川(黒沢川)や、米代川・夜明島川のことである。 下タのメシェッコ(大越商店)で釣具を買い、宅地に生えている竹(矢竹か)は 釣竿、コェヂガ(肥え塚)から掘って捕ったメメヂ(ミミズ)を餌にして、よく 川釣りをした。釣れるのは、ニガヘ(苦ハヤ)であった。 シタカ(下タ川)の川岸には、ガニ(沢蟹)がいた。ヨネシロガ(米代川) の川岸には、ヤヂメ(八目ウナギ)がいた。 夏になると、カチカ(カジカ)ヂギ(突き)をした。 ガラシバゴ(ガラス箱)を作ってもらい、ヤシは花輪の舟場の鍛冶屋から買ってきて もらって、一生懸命にカチカヂギをした。 場所は主にヨネシロガの浅瀬であったが、たまにはヨアゲシマ(夜明島川のこと。 夜明島川が米代川へ合流する辺り)の方へも行った。ヨアゲシマの水はとても冷たくて、 綺麗であった。 ヨネシロガの堤防は太い木枠で出来ており、その下には、沢山のクギ(ウグイ)が 泳いでいた。そのようなクギは、ガラシバゴでは突けないが、たまには浅瀬にも 泳いでいるので、突くこともあった。 カチカは沢山突いて捕った。面白くて楽しい、また、よく日に焼けるカチカヂギ であった。 他所の子供たちは、ヨヂギ(夜突き)をしていた。家の人が尾去沢鉱山に働いて いたのであろうか、どこからかカーバイトを入手し、 夜にガシカンテラ(ガスかんてら)を灯して、カチカを突くのであった。 |
[次へ進む] [バック] [前画面へ戻る] |