「松館今昔:野山の幸」

山の木の実

一、アグビ
 アグビ(ミツバアケビ)は、秋彼岸の中日には、黒沢の奥の平の、 元放牧地辺りへ採りにいった。
 
二、ブド
 ブド(サラヅラブドウ)も黒沢の平へ採りに行った。
 
三、栗
 栗は、下モ平の山や、黒沢の林へ採りに行った。
 
四、ケンポナシ
 ケンポナシのことを何と言ったろうか。シモカ(下モ川)の 川岸にあったと記憶する。
 
 ケンポナシ(クロウメモドキ科 ケンポナシ属):落葉高木。 枝は長く伸長し、樹冠はひろがる。樹皮暗灰色、浅いたてみぞがある。 葉は互生し、有柄、広卵形、膜質。花は、頂生集散花序小形の淡緑色の5弁花、 花梗はあとで肉質となり、その先端に球形の果実をつける。 肉質枝は梨のような甘味があり、生食される。 種子はその肉質をつけて落下する。種子は黒色で光沢がある。
ケンポナシの実
<出典:鎌倉発“旬の花”
 
五、カシマメ
 松館の山は、カシマメ(ツノハシバミ)がよく採れた。カシマメは 大事な食糧なので、みだりに採ってはならず、稲刈りが終わる頃であった ろうか、一斉に採取解禁となる。
 寝床に入ってから、お腹が減ると、こっそり食べた。でも、いくら布団に 潜っていても、「カチン」と音がするので、家の者に知られたものであった。

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