「松館今昔:松館の共同作業」

共有林野の刈り払い

 三ノ岳の山麓の国有林野は、牧野とか、採草地(萱野)とか、農地とかの目的で、 地元の集落に払い下げられていた。牧野は、牧野組合を組織して馬を放牧した。 採草地は一部は各戸へ分配、一部は共有地として「ヤドコ」用の萱野となった。 農地は分配の上、各戸で開墾し畑地となった。その後、萱屋根の家がなくなったり、 牛馬を飼育しなかったり、またスギの造林が奨励されたりしたので、 これらの払い下げ地を再配分するなどして、跡地の大部分にはスギが植栽された。
 
 払い下げ地の一部は未配分の上、自治会の共有財産として、 そのまま広葉樹の森林になったり、雑木を伐採してスギを植栽したりした。
 その共有のスギ造林地は、必要により保育手入れをしなければ、良好に生育しない。 そこで、生育状況を勘案して、共同作業で刈り払いをしようとするのである。
 会員は草刈機を持参するなどして、共同作業に従事する。共同作業は大抵の場合、 お昼前後か、又は早い時間に終わるように計画されている。作業が終わると、 松館改善センターで、違約金を見込んで慰労の酒肴が出される。

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