「松館今昔:松館の行事今昔」

フェスティバル − 演芸会の歴史

 とにかく松館の人たちは、演芸好きで、芸が上手いと思う。
 下モ通りの丁字路の所にゴグラ(郷蔵)とサンゲンジョ(作業場)があった。 サンゲンジョは二階建てで、青年会の「たまり場」でもあった。舞台のような 所もあり、広間には囲炉裏があり、しばしば常会が開かれるのであった。
 終戦直後辺りからのことしか知らないが、青年会主催のエンゲカイ(演芸会)は毎年、 このサンゲンジョで開かれていた。時期は何時か記憶がない。
 その後、字松館48番地桜田家の所にあった壁土中継所(しょうりょうば。称量場とも、 秤量場とも)の所、奈良商店の所などでも 開催された。舞台を仮設し、観客は道路などの空き地に座っていた。観客には、他所 の部落の人たちも混じっていた。
 十文字目の新しい消防番屋の所でも開催された。
 サンゲンジョが老朽になったので、部落会館は此処に移転新築し、 この前でも舞台を仮設して開催された。
 
 現在は、松舘改善センターで開催されているが、当初は手狭であったので、後に現在 のように増築されて、会場は広々としている。
 近年の開催時期は、菅原神社例祭の宵宮のときに、「松館天神様フェスティバル」と 称して開催されている。
 宵宮の祭式を終え、直会(なおらい)でほろ酔い加減の松館天満宮舞楽保存会の人たちは、 フェスティバルの会場と連絡を取り合い、頃を見計らって、宮司宅から「渡御の曲」を 奏でながら会場に到着し、演芸の皮切りに「権現舞」を演舞する。
 このフェスティバルには、松館集落の各階各層の人たちが日頃練習してきた「芸」を 披露するのである。

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