(1) 古道 − 鹿角街道(細野道) 参考:鹿角市発行「鹿角市史」など 鹿角街道(細野道) は、鹿角街道(本道)の岩手県七時雨山 付近から、八幡平北側の山裾を越えて鹿角に入り、巻山(真金 山)峠を越えて秋田(比内)方面へ通ずる道である。 即ち、近世(安土桃山・江戸時代、1573〜1867)の鹿角街道 は、現在の国道282号線にほぼ沿っているが、古代中世の、い わば歴史的鹿角街道の、鹿角への入口には、全く異なるもう一 つの経路があったのである。これが鹿角街道(細野道)である。 七時雨山から御月山(烏帽子森)を越え、細野から鍋越沢(なべこしざわ) を西へ進み、桂久保(かつらくぼ)、野沢欠(のざわかけ)峠、袰部(ほろべ)を経て兄川(あにがわ)を渡り、寒背(さむのせ) 峠を越えて鹿角に入る。 鹿角側は深(ふか)、坂比平(さかびたい)から熊沢川に沿って夏井に出、長牛(なごし)、桃枝(どうじ) を経て巻山峠を越え、比内大葛(おおくぞ)(大葛金山)に至る。 当時としては、この山道 − 細野道は、岩手県と鹿角、比内 とを結ぶ東西連絡の最短距離であった。 近世においても、鹿角の鉱産物を盛岡へ運び出すために、こ の細野道を通ったと伝えている。 |