鹿友会誌(抄)
「第四冊」
 
△柳   鐵山 小笠原勇太郎
 うらうらと霞はれゆくかはつらに のこるけふりは柳なりけり
 
○仝   大里武八郎
 青柳ののとかになひくさま見れば はなにあたなす風としもなし
 
○仝   川口恒藏
 外ゆ見しめ内ゆ見しめてしかすかに そひらは見せぬ春の柳か
 
○仝   川村竹治
 萌えにけり池のほとりの青柳は かゞみにうつる眉とみるまで
 
○仝   内藤虎次郎
 しぬのめの忍か岡ゆけさ見れは 都大路のやなきけふりぬ
 
○寄華述懐   内藤虎次郎
 花さけはしづこゝろなし眷にしも あはぬ身こそはやすけかりけれ
 
○梅   川口恒藏
 梅の花さかすもあらなさきしより あらぬ心にわれはすさひぬ
 
○中秋の夜古さとを思ひよめる   仝
 いつくにて今は見らんとふるさとの 月見るひとは我をかたらん

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