鹿友会誌(抄)
「第四十三冊」
 
△川村顧問古稀祝賀会「感謝文」
 有形より見れば、鹿友会員中職を与へられたるもの、栄達を与へられたる者、又窮し 救はれたる者其の幾何なるを知らず、或は奨学金の御出資、或は例総会の不足金の御補助 等々尚(人偏+尚)し、又無形より顧みれば、鹿友会の父として景仰を御一身に集め、霊感を与へられ、 御指導を賜はる等枚挙し難きものあり、
 
 不肖等今日幹事として、鹿友会が閣下より蒙りたる、海嶽啻ならぬ借恩を引継ぎたるものなり、 然るに奇しくも、皇紀二千六百年の記念すべき慶祝の歳は、閣下古稀を御迎へ遊ばされたる の歳なり、多年の感謝感激の念は、発して吾人献芹の情となり、今日御慶祝会となり たるものなり。
 
 抑も先輩の古稀祝賀会は、鹿友会としては今回を以て嚆矢とす、石田、内藤両顧問も、 未だ之れを受けずして易簀せられたり、今回の此の祝賀会こそ、先輩多年の精神的物質的の 御親切に対する、後輩として感謝の至情の表示として、後世に美風を遺すもの、且つ後世に 教ゆる所ある人の道なりと信ずるものであります。
 
 今や閣下古稀の御高齢に達せり、御健康に深甚の御注意を御願申上度いと存じます、実に 閣下一日の御長寿は、鹿友会一日の幸福を延ばすものであります、冀くば御自愛あらんことを、 聊か感謝の辞とす。
  昭和十五年四月二十八日
     鹿友会幹事長 月居忠悌
 川村竹治閣下

[次へ進んで下さい]