鹿友会誌(抄)
「第四十一冊」
 
△川村顧問、郷土青年に訓辞を与ふ
(昭和十三年六月二十六日午前、花輪青年学校金澤憲司外二十四名 於川村女学院)
 
 「………我々日本国民としてなすべきことは、君に忠、親に孝であって、之、人倫の 大道である。  畏れ多くも、明治大帝におかせられては、義は君臣なれども、情は父子なり、と仰せられ、 臣民を慈み給ふた。
 今や、日支事変も益々拡大し、皇軍の向ふ処、敵なく赫々たる戦果を収めてゐる。此の秋に 当り、我々は皇軍将兵の労苦に感謝すると共に、銃後にあって堅忍持久し、戦時経済に備へる 心構へこそ緊要である。
 
 諸君は今日の如き科学の発達した時代に生れて、文明の恩恵に浴してゐるので、 明治時代の様にわざわざ上京しなくとも、郷里に於て充分勉強にいそしむことが出来る のであるから、よく勉強して、国家の為に尽されむことを望む次第である。」

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