GLN鹿角のルーツあれこれ

シダレカツラ集成

 鹿角の郷には、鹿角市指定天然記念物として、
「シダレカツラ(長内)1本」  GLN 総覧「シダレカツラ(長内)」
「シダレカツラ(新田町)2本」  GLN 総覧「シダレカツラ(新田町)」
とがあります。
 これらのルーツを探しに、盛岡市まで行ってきました。

国指定天然記念物 瀧源寺のシダレカツラ
 盛岡のシダレカツラは、カツラの木の自然変種で、世界の珍木とも云われている。
 400年ほど昔、盛岡市の大ケ生にある瀧源寺(りゅうげんじ。龍源寺とも)の 性翁慶守和尚が、稗貫郡大迫町の桂林寺に用事があって出かける途中、 盛岡市砂子沢乙壁の山中(早池峰山麓)で不思議な苗木を見つけた。 カツラの葉を茂らせているが、枝が下に向って下がっているのである。 和尚は掘り出して、道中途中の大迫の妙泉寺(大迫町岳の早池峰神社境内) に仮植えさせてもらった。
 元々各寺では、旧盆の時期にカツラの葉を採って乾燥させ、 臼でついて細かくして「お香」として利用していた。シダレカツラは、 枝が下に下がっているので、とても重宝がられた。
 ところで、あるお寺の小坊主がカツラの葉を採るのに難儀している 姿を見かねた早池峰山の神様「瀬織津姫命(女神)」が、枝を下に下げた、 言い伝えられている。
 
 さて、性翁慶守和尚が帰路、妙泉寺に仮植しておいたシダレカツラ の木を持ち帰り、瀧源寺の本堂の裏に植えた。 やがてこの木は大変な巨木となったため、文政2年(1819)本堂の修繕工事の際に切り倒して鏡戸10枚を作った。この鏡戸は現在も残されている。
 そのヒコバエが、現在のような巨木に生長した。
 
@シダレカツラ 盛岡市大字大ヶ生22-99 瀧源寺 大13.12.9 国指定天然記念物
Aシダレカツラ 盛岡市門字真立107 関口家 大13.12.9 国指定天然記念物
Bシダレカツラ 盛岡市肴町12-6 大13.12.9 国指定天然記念物

瀧源寺のシダレカツラH19.7.11
瀧源寺のシダレカツラH19.7.11
瀧源寺のシダレカツラH19.7.11
瀧源寺の鏡戸H19.7.11
[地図上の位置(瀧源寺)→]

 なお、鹿角の長内のシダレカツラは、「岩手県安代町石神(現八幡平市)」から 移したとされていますが、石神のシダレカツラのルーツは、今のところ分かりません (分かっている方は、何卒教えて下さい)。


◆シダレカツラ探訪あれこれ
fb H280930「石神」

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