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[鹿角の民謡]

 
△鹿角検校節
 
 検校ケンギョウとは、中世から平曲・三弦・筝曲・鍼灸・按摩などに携わる盲人のことで、座頭 など幾つかの格式がある中での最高位である。天明年間(1781〜88)、盛岡の琵琶師佐 野屋市之丞(佐の市)によって伝えられて松坂節が、この歌の元歌と伝えられる。別の 説では、けんりょう節とも呼ばれる越後の祝歌、越後松坂くずしが、青森・北海道へと伝 播し、秋田へは荷方(新潟)節の名で伝わったと云う。因みに鹿角では「検枝節」と呼 ぶ。およそ三十ほどある歌詞は全てが長詩型であるが、演唱者により歌詞が異なる。家 建てと婚礼を中心として祝歌であ。
 
さてもめでたい この家のますは
銭ます金ます宝ます そこで身上が上がります
ハアしんしょうが ますます上がります
ハア栄えます
(伝承者 花輪・兎沢忠雄)
 
△検校節
 
一、
さても目出度い
この家のご亭主
一の座敷に 御祝儀する
二の座敷に 孫もうけ
三の座敷に 倉をたて
五穀倉をば 二十と四つ
金銀倉をば 二十と四つ
四十八字の いろは倉
大坂下りの 鍵を取る
倉の番頭は 誰だれか
一に大黒 二に恵比寿
三の鍵取り 福の神
宇着のように 末広く
団扇の如く まん丸く
柳のように 末長く
この家ご亭主は 果報な人
末にゃ長者と なるわいな
 
二、
さても目出度い
この家のご亭主
朝に早起き 門開く
朝に入るは 朝恵比寿
昼に入るは 福の神
夜は大黒 笑ッて来る
右の手に持つ 倉の鍵
左の手に持つ 宝槌
金のなる木を 庭に植え
家内辛抱で 金がなる
金がこぼれて 長者となる
大枡小枡で 金はかる
又も積みおく 千両箱
千と重ねて 万となる
万と重ねて 億となる
億も目出度い 今日となる
諸国ちょうする 長者となる
(伝承者 久保田・田中由太郎)
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