02 卵の殻に入れられた温泉(八幡平字松舘) 昔々、産土様である天神様(松舘菅原神社のこと)の近くに温泉が湧いて、大変賑わ っていました。 ところが、神様はこれを不浄に思って嫌われ、このお湯を鶏の卵の殻に入れて萱の苞 ツトに包クルみ、大滝(現大館市大滝温泉)へお贈りになられた。 それ故大滝温泉のお湯は、卵の香りがするとのことです。 因みに、今でも同神社の後方の山麓に、「湯の沢」「湯谷地ユヤチ」と云う地名が残って います。 また、最近までそこの付近一帯は温泉(硫黄泉)の匂いが漂い、白濁の沢水が流れて いました。冬、雪に圧せられて水に浸った笹の葉は、翌春真っ白になり、それを掻き集 めて分析すると、硫黄泉に見られる「湯の花」が検出されたと云います。即ちそこは硫 黄泉なのです。 一方、この付近をよく通ったと云う隣部落の古老の話として、次のように伝わってお ります。 以前の湯谷地はもっと広く大きく、水面には白い布のようなものが浮いており、その ため「布沼」と呼んでいました、と。 (SYSOP) 関連リンク 「松舘菅原神社」