古の ますら丁子(をのこ)の 相競ひ 妻問しけむ 葦屋の 菟原娘子(うなひをとめ)の 奥城(おくつき)を 吾が立ち見れば 永き世の 語りにしつつ 後人の 偲ひにせむと 玉ほこの 道の辺近く 岩構へ 造れる塚(はか)を 天雲の そくへの限り この道を 行く人ごとに 行き寄りて い立ち嘆かひ 里人(さどひと)は 哭(ね)にも泣きつつ 語り継ぎ 偲ひ継ぎ来し 娘子らが 奥城所 吾(あれ)さへに 見れば悲しも 古思へば 反し歌 古の信太丁子(しぬだをとこ)の妻問ひし 菟原処女の奥城ぞこれ 語り継ぐからにもここだ恋(こほ)しきを 直目に見けむ古丁子(いにしへをとこ) (万葉集) 芦の屋の昆陽(こや)のわたりに日は暮れぬ いづちゆくらむ駒にまかせて 能因(後拾遺和歌集) |
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