32d 逆引き枕詞
〈て〉
手に取り持つ 玉釧タマクシロ
手枕 敷き妙タヘの
照る 真澄鏡マソカガミ
照れる月夜ツクヨ 茜アカネさし
〈と〉
と 焼き太刀タチの・焼き太刀タチを
磨トぐ 剣太刀ツルギタチ
床 敷き妙タヘの
年 あらたまの
留トドめかね 行く水の
隣 さし並ナみの
舎人男トネリヲトコ 刺す竹の
飛ぶ 白鳥の・ほととぎす
遠トホ 霰アラレ降り
遠き 石橋イハバシの
遠さかる 投ぐる矢サの
遠し 風の音トの・雲隠れ
遠長し 玉葛タマカヅラ
遠長に 葛クズの根に
とみ 窺ウカねらふ
跡見トミ 射目立てて
とりかひ川 洗ひ衣ギヌ
取石トロシ 妹イモが手を
撓トヲむ 沖つ波
とをよる 弱竹ナヨタケの
とをを 割サき竹の
〈な〉
な 名告藻ナノリソの
名 剣太刀ツルギタチ
己ナ 剣太刀ツルギタチ
なか 三枝サキクサの・三つ栗クリの
なが 績ウみ麻ヲなす
長き タク(栲)繩ナハの
長く 根蓴ネヌナハの
長し 秋の夜の・菅スガの根の・玉の緒の・春の日の
長田 御心ミココロを
長柄ナガラ 津の国の
流る 庭潦ニハタヅミ
名木ナギ 衣手の
泣きかへらふ 鳴く鳥の
灘ナダ 鯨イサナ取り
名高ナダカ 紫の
なづさふ 黒鳥の・鳰鳥ニホドリの
難波ナニハ 葦が散る・おし照る(や)・津の国の
なのる 名告藻ナノリソの
隠ナバる 沖つ藻モの
なびく 沖つ藻モの・玉藻タマモなす
なみ 小波ササナミの
波 しろたへの
なら 恋衣
奈良 青丹アオニよし・みてぐらを
並びゐ 鳰鳥ニホドリの
並ぶ 潮船の
なりはた 光る神
〈に〉
につらふ かきつばた
新ニヒ 若草の
丹生ニフ 真金マガネ吹く
にほえ つつじ花
鳰ニホの湖 級シナ照る(や)
にほひさかゆ 春花の
にほふ かきつばた・つつじ花・紫の
〈ぬ〉
鐸ヌテ 百伝モモヅタふ
縫ふ 唐錦カラニシキ
〈ね〉
ね 鳴く鶴タヅの・夏草の
音ネ 朝鳥の
根 さし楊ヤナギ
音ネになく 葦田鶴アシタヅの
寝ぬ 根蓴ネヌナハの
音ネのみし泣かゆ 泣く児コなす
ねもころ 菅スガの根の
ねもごろ 葦の根の
〈の〉
野 夏草の
のちもあはむ さな(ね)葛カヅラ
後もあはむ 這ハふ葛クズの
能登香ノトカ ひも鏡
のどよふ ヌエ鳥ドリの
〈は〉
は 夏草の
羽易ハガヒの山 大鳥の
箱 玉櫛笥タマクシゲ
羽 しろたへの
膚 あからひく
泊瀬ハツセ 海人アマ小舟ヲブネ・隠コモり口クの
花 撫子ナデシコが
母 垂乳タラチし(の・や)・垂乳根タラチネの・柞葉ハハソバの
はひたもとほる みどりごの
はふ 玉葛タマカヅラ
浜 鯨イサナ取り
はやぶさ 高行くや
早馬ハヤマ駅ウマヤ 鈴が音ネの
早見浜 吾妹子ワギモコを
はる 梓弓アヅサユミ
春 あらたまの・うち靡ナビく・かぎろひの・冬篭フユゴモり・み冬つ
ぎ
張る 冬篭フユゴモり
晴れぬ 秋霧の
はろかに 玉かぎる
[次へ進んで下さい] [バック]