神様の戸籍調べ
 
三十七 大年神オホトシノカミ
 
戸籍簿
 御本籍地 静岡県静岡市宮崎町 大歳御祖神社
  父 建速須佐之男神
  母 神大市比売
 
     大年神     ― 大国御魂神
               韓神
   妃 伊怒比売      曽富理神
   妃 香用比売      白日神
   妃 天知迦流美豆比売  聖神     以上 母伊怒比売(神活須毘神の女)
               大香山戸臣神
               御年神    以上 母香用比売
               奥津日子神
               奥津比売神
               大山咋神
               庭津日神
               阿須波神
               波比岐神
               香山戸臣神
               羽山戸神
               庭高津日神
               大土神    以上 母天知迦流美豆比売
 
 大年神オホトシノカミも亦、日本建国の時、大国主命オホクニヌシノミコトと共に力を合せて、悪神を平
げたる有名なる神であって、大国主命は、この大年神の力を蒙ること非常に多かった。
 初め大国主命は少彦名命スクナヒコナノミコトの力を得て、大に天下を治められたが、更らに出
雲朝廷を拡張する為に、諸神の助力を乞はんものと思はれて、
 「アゝ、この国を治むるや実に容易の事にあらず、誰か、偉らい神様があって共々に
国家経営の事に力添がして欲しいものである」
と独言してゐられると、海上遥に光輝き来るものあり、よくよく見れば豈アニ計らんや、
一人の神であった。その神は声張り上げて、
 「大国主よ、汝若し、吾が住する前をよく治めば、吾汝と共によくこの国土経綸ケイリン
に力を添ふべし」
と、大国主命重ねて、
 「然らば、治め奉るには如何にしたればよろしきにや」
と尋ねらるゝと、彼の神は、
 「左様、大和国ヤマトノクニ青垣山アヲガキヤマの東の方の山の上に奉祠するがよいぞ、私は、御
諸山ミモロヤマの上に鎮座してゐる大年の神と云ふものである」
と御仰せになったので、大国主命はその通りになさると、茲で大年神は、伊怒比売イヌヒメ
と申す、神活須毘神カムイクスビノカミの御女オンムスメと結婚して、大国御魂神オホクニノミタマガミ、韓神
カラガミ、曽富理神ソホリノカミ、白日神シラヒノカミ、聖神ヒジリノカミの五人を生み、更に香用比売命カヨウ
ヒメノミコトと云ふ美人を娶って大香山戸臣神オホカグヤマトベノカミ、御年神ミトシノカミ、の二人を設けら
れ、次に、天知迦流美豆比売アマチカルミヅヒメを御嫁様にして、奥津日子神オキツヒコノカミ、奥津比
売神オキツヒメガミ(亦名大戸比売)と云ふ竃ツツイの神様や、大山咋神オホヤマクヒノカミ、庭津日神ニハ
ツヒノカミ、阿須波神アスハノカミ、波比岐神ハヒキノカミ、香山戸臣神カグヤマトベノカミ、羽山戸神ハヤマトノカミ、
庭高津日神ニハタカツヒノカミ、大土神オホツチノカミ等の十人の神様を生まれ、この御子神達が色々の
方面に発展して、大国主命を助け、国土経営上に御力添えになったのである。
[次へ進む] [バック]