神名解説
〈三 神々の生成〉
いざなきのみこと・いざなみのみことの二柱の神は力を合わせて、多くの国々を生み、
ようやくその任務を終えることができたが、更に今度は、神々を生むことになった。
大事忍男神オホコトオシヲノカミ
おおことおしおのかみ
大事な国生みの仕事を成し終えたと云う意味である。
石土毘古神イハヅチビコノカミ
いわつちひこのかみ(男神)
石巣比売神イハスヒメノカミ
いわすひめのかみ(女神)
この二柱の神は、それぞれに岩石と土砂のことを云い、家を建てる材料のことを意味
している。
大戸日別神オホトヒワケノカミ
おおとひわけのかみ
家の入口の門のことを意味し、家を掌ツカサドる神と云う。
天之吹男神アメノフキヲノカミ
あめのふきおのかみ
屋根を葺フく男、と云う意味である。
大屋毘古神オホヤビコノカミ
おおやひこのかみ
家屋を掌ツカサドル神と云う。
風木津別之忍男神カザケツワケノオシヲノカミ
かざもつわけのおしおのかみ
風の害を防ぐ男神と云う意味である。
大綿津見神オホワタツミノカミ
おおわたつみのかみ
海を宰ツカサドル神と云う。
速秋津日子神ハヤアキツヒコノカミ(N速秋津日命ハヤアキツヒノミコト)
はやあきつひこのかみ(男神)
妹イモ速秋津比売神ハヤアキツヒメノカミ
はやあきつひめのかみ(女神)
海中に注ぐ川の門口を宰ツカサドル神と云う。
はやあきつひこのかみとはやあきつひめのかみは、それぞれに一方は川、一方は海を
分担して宰ツカサドているが、この二柱の神は力を合わせて次のような神々を生んだ。
沫那芸神アワナギノカミ
あわなぎのかみ(男神)
沫那美神アワナミノカミ
あわなみのかみ(女神)
それぞれに、水の泡が凪ナいでいると云うことと、水の泡が立ち騒いでいると云う意味
である。
頬那芸神ツラナギノカミ
つらなぎのかみ(男神)
頬那美神ツラナミノカミ
つらなみのかみ(女神)
それぞれに、水面が静かに凪いでいると云うことと、水面が荒く波立っていると云う
意味である。
天之水分神アメノミクマリノカミ
あめのみくまりのかみ
国之水分神クニノミクマリノカミ
くにのみくまりのかみ
この二柱の神は分水嶺にあって、それぞれに分水を掌ツカサドる神と云う。
天之久比奢母智神アメノクヒザモチノカミ
あめのくひさもちのかみ
国之久比奢母智神クニノクヒザモチノカミ
くにのくひさもちのかみ
この二柱の神は、それぞれに水を汲んで施ホドコす役目を持ち、そして分水を掌ツカサトる
神と云う。
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