1503 範例祝詞[祝詞]
参考:堀書店発行「祝詞範例全書」
『延喜式』巻第八、祝詞ノリト
[伊勢太神宮イセノオホミカミノミヤ]
二月祈年キサラギノトシゴヒ 六月十二月ミナヅキシハスノ月次祭ツキナミノマツリ
天皇我御命以弖スメラガオホミコトヲモチテ度会乃ワタライノ宇治乃五十鈴川上乃下津石根爾 称辞竟奉流
皇太神能スメオホカミノ太前爾オホマヘニ申久 常毛進流二月祈年キサラギノトシゴヒノ(月次祭ツキナミノマツリニハ
唯タダ以六月月次辞ミナヅキノツキナミノコトバヲモテ相換アヒカヘヨ。)大幣帛乎 某官位ソレノツカサクライ姓名乎
カバネナヲ為使天ツカヒトシテ 令捧持弖ササゲモタシメテ進給布タテマツリタマフ御命乎オホミコトヲ申給久止申
[豊受宮トユケノミヤ]
天皇我御命以弖 度会乃山田原乃ヤマダノハラノ下津石根爾 称辞竟奉流豊受皇神前爾トユケノスメラ
ガミノマヘニ申久 常毛進流二月祈年(月次祭唯以六月月次辞相換。)大幣帛乎 某官位姓名
乎為使天 令捧持弖進給布御命乎申給久止申
[四月ウヅキノ神衣祭カムミソノマツリ](九月ナガツキハ准此コレニナラヘ)
度会乃宇治五十鈴川上爾イスズノカハカミニ大宮柱太敷立天 高天原爾千木高知天 称辞竟奉留
天照坐皇太神乃アマテラシマススメオホミカミノ太前爾申久 服織麻続乃ハトリヲミノ人等乃ヒトドモノ 常毛奉仕
留ツカヘマツル和妙 荒妙乃織乃ハタノ御衣乎進事乎タテマツルコトヲ申給止申マヲシタマハクトマヲス 荒祭宮爾毛
アラマツリノミヤニモ如是カク申天進止宣マヲシテタテマツレトノル(禰宜内人ネギウチンド称唯オオトマヲセ。)
[六月月次祭](十二月准此)
度会乃宇治五十鈴乃川上爾 大宮柱太敷立天 高天原爾千木高知天称辞竟奉留 天照坐
皇太神乃太前爾申進留マヲシタテマツル 天津祝詞乃太祝詞乎フトノリトヲ神主部カムヌシベ物忌等モノイミドモ
諸聞食止宣モロモロキコシメセトノル(禰宜内人等共称唯)
天皇我御命爾坐 御寿乎ミイノチヲ手長乃タナガノ御寿止 湯津如磐村イハムラノゴトク常磐堅磐爾 伊
賀志御世爾イカシミヨニ幸倍給比 阿礼坐アレマス皇子等乎毛ミコタチヲモ恵給比 百官人等天下四方国
能百姓爾オホミタカラニ至万天 長平久ナガクタヒラケク作食留ツクリタブル五穀乎毛イツクサノタナツモノヲモ豊爾令栄
給比ユタカニサカエシメタマヒ 護恵比マモリメグビ幸給止サキハヘタマヘト 三郡ミツノコホリ国々処々爾クニグニトコロ
ドコロニ 御調糸ミツギノイト由貴能ユキノ御酒御贄乎オホミキオホニヘヲ 如横山置足成天 大中臣太玉串
爾オホナカトミフトタマグシニ隠侍天カクリハベリテ 今年六月十七日乃トヲカマリナヌカノ朝日乃豊栄登爾トヨサカノボリ
ニ称申事乎タタヘマヲスコトヲ 神主部物忌等諸聞食登宣(神主部共称唯) 荒祭宮月読宮爾毛如
是久カク申進止宣マヲシテタテマツレトノル(神主部亦称唯)
[九月ナガツキノ神嘗祭カムニヘノマツリ]
皇御孫命御命以 伊勢能度会五十鈴河上爾 称辞竟奉流天照坐皇太神能太前爾申給久
常毛進流九月之神嘗乃大幣帛乎 某官某位某王 中臣某官某位某姓名乎為使弖 忌部弱
肩爾太襁取懸 持斎波里モチユマハリ令捧持弖ササゲモタシメテ進給布タテマツリタマフ御命乎申給久止申
[豊受宮トユケノミヤノ同祭オナジマツリ]
天皇我御命以弖 度会能山田原爾 称辞竟奉流皇神前爾申給久 常毛進留九月之ナガツキノ
神嘗能大幣帛乎 某官某位某王 中臣某官某位某姓名乎為使弖 忌部弱肩爾太襁取懸
取持斎波里トリモチユマハリ令捧持弖ササゲモタシメテ進給布タテマツリタマフ御命乎申給久止申
[同神嘗祭オナジクカムニヘノマツリ]
度会乃宇治能五十鈴乃川上爾大宮柱太敷立弖 高天原爾千木高知天 称辞竟奉留天照坐
皇太神乃太前爾 申進留天津祝詞乃太祝詞乎 神主部物忌等 諸聞食止宣(禰宜内人等
共称唯)
天皇我御命爾坐 御寿乎手長乃御寿止 湯津如磐村イハムラノゴトク常磐堅磐爾 伊賀志御世爾
幸倍給比 阿礼坐皇子等乎毛恵給比 百官人等天下四方国乃百姓爾至万天 長平久護恵
美幸比給止サキハヒタマヘト 三郡国々処々クニグニトコロドコロニ寄奉礼留神戸人等能カムベノヒトドモノ 常
毛進留由紀能御酒ユキノオホミキ 御贄オホニヘ 懸税千税カケヂカラチヂカラ余五百税乎アマリイホヂカラヲ 如
横山久置足成天 大中臣オホナカトミ太玉串爾隠侍天 今年九月十七日朝日豊栄登爾 天津祝
詞乃太祝詞辞乎称申事乎 神主部物忌等諸聞食止宣(禰宜内人等称唯) 荒祭宮 月読
宮爾毛如是久申進止宣トノル(神主部共称唯)
斎内親王イツキノヒメミコ奉入時タテマツリイルルトキ
進神嘗幣詞カムニヘノミテグラヲタテマツルコトバヲ申畢マヲシヲヘテ 次即申云ツギニスナハチマヲシテイフ 辞別弖申給久
今進流斎内親王波 依恒例弖ツネノタメシニヨリテ三年ミトセ斎比清麻波理弖イハヒキヨマハリテ 御杖代止ミツエ
シロト定弖進給事波タテマツリタマフコトハ 皇御孫之尊乎スメミマノミコトヲ天地日月止アメツチヒツキト共爾 堅磐爾
平気久安久御座坐志米武止オホマシマサシメムト 御杖代止進給布御命乎 大中臣茂桙イカシホコノ中取
持弖恐美恐美毛申給久止申
還奉太神宮オホカミノミヤヲウツシマツル祝詞(豊受宮准此)
皇御孫能御命乎以弖 皇太御神能太前爾申給久 常乃例爾依弖廿年爾ハタトセニ一遍比ヒトタビ
大宮新仕奉弖アラタニツカヘマツリテ 雑クサグサノ御装束物ミヨソヒノモノ五十四種イソアマリヨクサ 神宝カムタカラ廿一
種乎ハタチアマリヒトクサヲ儲備天マケソナヘテ 祓清売ハラヒキヨメ持忌波理弖モチユマハリテ 預供奉アヅカリツカヘマツル弁
官オホトモヒ某位ソレノクライ某姓名乎差使弖サシツカハシテ 進給状乎タテマツリタマフサマヲ申給久止申
[還却祟神タタリガミヲウツシヤル祭マツリ]
高天原爾神留坐弖 事始給志神漏伎神漏美能命以弖 天之高市爾アメノタケチニ八百万神等乎神
集集給比カムツドヘニツドヘタマヒ 神議議給弖カムハカリニハカリタマヒテ 我皇御孫之尊波 豊葦原能水穂之
国乎 安国止平気久所知食止 天之磐座放弖イハクラハナチテ 天之八重雲乎伊頭之イヅノ千別支
爾千別弖チワキニチワキテ 天降所寄奉志時爾アマクダシヨサシマツリシトキニ 誰神乎イヅレノカミヲ先遣波志マヅ
ツカハシ 水穂国能荒振神等乎アラブルカミドモヲ神攘攘平気武止カムハラヒニハラヒムケムト神議議給時爾カム
ハカリニハカリタマヒシトキニ 諸神等モロモロノカミタチ皆量申久ミナハカリマヲサク 天穂日之命乎アメノホヒノミコトヲ遣而平
気武止申支ツカハシテムケムトマヲシキ
是以ココヲモテ天降遣時爾アマクダシツカハストキニ 此神波返言不申支カヘリゴトマヲサザリキ
次遣志ツギニツカハシシ健三熊之命毛タケミクマノミコトモ 随父事弖チチノコトニシタガヒテ返言不申カヘリゴトマヲサズ
又遣志天若彦毛アメワカヒコモ返言不申弖 高津鳥殃爾タカツトリノワザハヒニ依弖 立処爾身亡支タチドコロ
ニミウセニキ
是以天津神能御言以弖ミコトモチテ更量給弖サラニハカリタマヒテ 経津主命フツヌシノミコト健雷命タケミカヅシノミコト
二柱神等乎フタハシラノカミタチヲ天降給比弖 荒振神等乎神攘攘給比神和和給弖カムヤハシニヤハシタマヒテ
語問志コトトヒシ磐根樹立草之片葉毛イハネキネタチクサノカキハモ語止弖コトヤメテ 皇御孫之尊乎天降所寄奉
支
如此久カク天降所寄奉志四方之国中止 大倭日高見之国乎オホヤマトヒタカミノクニヲ安国止定奉弖 下
津磐根爾宮柱太敷立 高天之原爾千木高知弖 天之御蔭日之御蔭止仕奉弖 安国止平気
久ヤスクニトタヒラケク所知食武シロシメサム皇御孫之尊乃天御舎之内爾アメノミアラカノウチニ坐須皇神等波 荒備
給比健備給タケビタマヒ祟給タタリタマフ事無志弖コトナクシテ 高天之原爾始志事乎 神奈我良毛カムナガラ
モ所知食弖 神直日大直日爾カムナホビオホナホビニ直志給比弖 自此地波コノトコロヨリハ 四方乎見霽
ミハルカス山川能清地爾キヨキトコロニ遷出坐弖ウツリイデマシテ 吾地止ワガトコロト宇須波伎坐世止ウスハキマセト
進タテマツル幣帛者明妙アカルタヘ 照妙テルタヘ 和妙ニギタヘ 荒妙爾アラタヘニ備奉弖ソナヘマツリテ 見明物止
ミアキラムルモノト鏡 翫物止モテアソブモノト玉 射放物止イハナツモノト弓矢 打断物止ウチタツモノト太刀タチ 馳
出物止ハセイヅルモノト御馬 御酒者瓶戸高知ミキハミカノヘタカシリ 瓶腹満双弖ミカノハラミテナラベテ 米爾毛
ヨネニモ穎爾毛カヒニモ 山住物者 毛乃和物ケノニゴモノ毛能荒物ケノアラモノ 大野原爾オホヌノハラニ生物者
オフルモノハ 甘菜辛菜 青海原爾住物者 鰭廣物ハタノヒロモノ鰭狭物ハタノサモノ 奥津海菜オキツモハ辺津
海菜爾ヘツモハニ至万弖爾 横山之如久八物爾ツクエモノニ置所足弖オキタラハシテ 奉留宇豆乃幣帛乎
皇神等乃御心毛明爾アキラカニ 安幣帛乃足幣帛止 平久聞食弖 祟給比健備給事無之弖コト
ナクシテ 山川乃広久清地爾遷出坐弖 神奈我良カムナガラ鎮坐世止シヅマリマセト称辞竟奉止申
[遣唐使時モロコシニツカヒヲツカハストキノ奉幣ホウベイ]
皇御孫尊乃御命以弖オホミコトヲモチテ 住吉爾スミノエニ称辞竟奉留皇神等乃前爾申賜久マヲシタマハク 大
唐爾モロコシニ使遣佐牟止ツカヒツカハサムト為爾スルニ 依船居無弖フナスエナキニヨリテ 播磨国与理ハリマノクニヨリ船
乗止為弖フネニノルトシテ 使者遣佐牟止ツカヒハツカハサムト所念行間爾オモホシメスアヒダニ 皇神命以弖 船居
波吾作牟止アレツクラムト教悟給比支ヲシヘサトシタマヒキ
教悟給比那我良ヲシヘサトシタマヒナガラ船居作給部礼波フナスエツクリタマヘレバ 悦己備ヨロコビ嘉志美ウレシミ
礼代乃イヤジロノ幣帛乎 官位ツカサクライ姓名爾カバネナニ令捧齎弖ササゲモタシメテ進奉久止申タテマツラクトマヲス
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