03a 神拝詞集 第二輯シュウ
 
十一 神徳讃詞
 
尊き吾が大神 家内ヤヌチ穏オダヒに 身健スコヤかに 夜を守り日を守り 御恵を垂れ給ふを 
たたへ奉り 感謝(ゐやび)奉りて 祈乞コヒノみ奉らくを 享ウけ給へ
畏き和ニギみ霊 心豊ユタけく思ひ静けく 家族睦ムツみ親しみ 友の交マジらひ穏に 和や
かにあらしめ(守らせ)給へ
美ウルはしき幸サキみ霊 日に異ケに身健かに 内の災 外の禍事マガゴトなく 起き伏し 楽
しくあらしめ(守らせ)給へ
妙タヘなる奇クシみ霊 善きに進み 悪しきに入らず 家業ナリハヒを導き勧ススめ 知恵をめぐ
み 技術を励まし 家門イヘカド賑々ニギニギしくあらしめ(守らせ)給へ
厳イカしき荒み霊 人の力に及ばざる諸々の災を 遠く祓ひ深く静めて 家居穏にあらし
め(守らせ)給へ
奇クシびなる直日ナホビのみ霊 思はざる過ちを見直し給ひ ゆくりなき心弱りを見許し給
ひ 勇みたたして 強く雄々しくあらしめ(守らせ)給へ
                   鎌倉市雪ノ下 鶴ケ岡八幡宮権宮司白井永二
 
十二 かむながらとなへことば
 
かがふりまつる あめつちの よろづのめぐみ はらからの 遠つ御祖ミオヤの みめぐみ
を 八百万ヤホヨロヅなす うぶすなの 神とは祭り 天照らす 日の大神を 大御祖オホミオヤ
よろづの神の 祖神オヤガミと いつきまつりて 高光る 日の大御子の 食ヲす国を 千
代に 八千代に 持ち斎イツき 神のみたまの 分けみたま いただき持ちて 寄り来クら
む 八十ヤソまがつひの まがごとを 奇クしく妙タヘなる 神直日カンナホビ 大直日オホナホビも
て 見直しつ 聞き直しつつ ゆくりなく 過アヤマち犯す 罪咎ツミトガは 祓ハラへ清めて
かへりみて みたまのふゆの 新しく むすびの神の みむすびに われもわが子も 
人みなも 草木も石イハも 飛ぶ鳥も よろづのものは 天地アメツチの 永遠トハのいのちに 
むすばれて さくら花咲く 敷島の 大和のくにの 山河ヤマカハと ともに明るく 清ら
けく 御祖ミオヤ御祖ミオヤを 中今ナカイマの いまのうつつに 受継ウケツがひ 幸サキく真幸マサキ
く 憂ウレへなく むすこむすめの 生みの子に 伝へて行かむ かむながら 神の真道
マミチの まさ道を 信ウケガひまつり 生くる身を 正しく直く 安らけく わが産土ウブ
スナの 大神も 高天原の 神々も 導き給へ 恐カシコかれども 幸へ給へ 恐かれども
                            神社本庁財務部長三上茂
 
十三 みたまなごめとなへことば
 
あめつちの むすびの中に 千早ぶる 神の御祖ミオヤの 祖々オヤオヤと 伝へ来まして ち
ちははの 与へ給ひし 分け御霊ミタマ この現ウツし世を まかりなば とはのみたまの 
ふるさとの 神のみかどに 帰るなり 神のみかどは あめつちの 永きいのちに 異
コトナらず 耳にきこえず 目に見えぬ 清き汀ナギサに しき波の 寄する常世トコヨの く
にと云ふ 常世のくにに 白雲の 千重チヘを押し分け 茜アカネさす 日の若宮が 立つと
云ふ 日の若宮の高殿タカドノに 代々のみたまは 明アカる妙タヘ 照る妙もちて 身をよそ
ひ 瑞ミヅの曲玉マガタマ とりかけて 安く穏オダひに 坐マすと云ふ 安く穏ひに 坐す
ことを 仰ぎこひ祈ノみ うつそみの われも家族ウカラも 一筋に 神のま道の まさ道
を 信ウケガひまつり つつしみて 親子はらから むつまじく 家をととのへ 身を修
め 清く明るく うれへなく 生くるまことを 天翔アマガケり 国翔クニガケりても みそ
なはし みたまは高く 安らけく いやとこしへに しづまりて 家の栄えを 守りま
せ 家の栄えを 守りませ
                            神社本庁財務部長三上茂
 
十四 神頌詞シンショウシ
 
かけまくも畏カシコき 天津アマツ大御祖神オホミオヤカミの 子孫ウミノコの示し給ひ 教へ給ひし 惟
神カンナガラの大御教オオミヲシヘを 熟ツラツラ按アンずるに 宇宙ウチュウに万象バンショウあり 万象ある
は その素ソなかる可ベカらず 万象の素 未イマだ動ドウせず 発せざれば現象ゲンショウな
し 現象の根元は霊ヒなり 大生命なり
宇宙総元ソウゲンの生命は 自オノヅから神妙シンメウ不可思議フカシギの霊能レイノウを有す 産霊ムス
ビと名づく 産霊の霊能発して万霊バンレイと現ゲンじ 万象バンショウと成り 万霊万象自か
ら 産霊の霊能を具有グユウ かたみに対交タイカウ寄与キヨし 更に諸霊ショレイ諸象ショショウを生
む 即ち生成セイセイ化育クワイクなり
宇宙一切有象ユウショウ無象ムショウ対交寄与し 生み生み 成り成るは 神意天掟テンテイにして 
万霊万象生成化育 宇宙の進化発展の中ウチに 人身ニンシン顕現ケンゲン 万霊万象ありと雖
イヘドも 中今ナカイマに享ウけ難ガタき人身と生アれ出で 生み成されしこと 祖霊ソレイの神意
シンイ恩沢オンタクなり
天津大御祖神の神霊ミタマ幸サキはひ 代々の祖親オヤオヤの霊ヒを享ウけ霊ヒを継ぎ 身を享け身
を継ぎ 宗祖ソウソの現世ゲンセ生き通しとして吾あり 自から祖孫中継ナカツギの大任タイニンを
負オひ 次の世に吾を生かし 祖先の生くるの道を行ギョウぜざる可ベカらず
元霊ゲンレイ宗祖の教を継ぎ教を活イカし 道を継ぎ道を活し 業ワザを継ぎ技ワザを生かし 
漂タダふ国を修理ツクリ固成カタメナす 神意具現グゲンこそ 人生の要諦ヨウテイたり されど 人
の世に生きなんこと容易のことに非アラず 「まこと」の道を行ぜんことを希求キキュウする
も 枉津毘マガツビの禍カワあり 行住ギョウジュウ座臥ザグワの念々ネンネン 神明に恥ハヂずと云
ふことなし
不識フシキの解怠ゲタイ 過クワを積み罪を積む 神気シンキ枯る時 穢ケガレと現ゲンず 小ショウを
侮アナドり 大ダイを虞オソレざれば 身を損なひ 宗祖を傷キヅつく 正邪セイジャ善悪の弁別
ベンベツ難カタからざるも 「まこと」の道 惟神カンナガラの大道タイドウを行ギョウぜんこと易
ヤスからず 然も行ぜざる可ベカらず
仰アフぎ冀コヒネガハくば 神霊シンレイ吾をして 惟神の大道に参サンじ 宗祖ソウソの遺訓(ゐくん
)に応コタへ 児孫ジソンの道標ドウヒョウともなるがに 夜の守り 日の守りに守り導き給へ
と 乞祈コヒノミ奉る
  大神 稜威ミイヅ輝く 尊タフとしや
  大神 守り給ひ 幸サキはへ給へ
                      久留米市御井町 高良大社宮司糸永新
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