07b[四 役員備忘録]
 
〈神社の社殿新築・改築等について〉
 神社の建物の規模形式については、その神社古来の制式を尊重し、古式の照鑑が失わ
れないようにしなければなりません。また、やむを得ず形式を変更する場合には、その
祭神の由緒に相応しく、また本殿以下の諸建物との形式・配置の調和を重んじ、なるべ
く元の形式と違わないようにするべきです。また、宗教活動上、必要な社務所や手水舎
等が不備、破損等の場合には速やかに建設、補修を行うよう心掛けが必要です。
 近年は、建築材料の進歩や、繁華街の土地事情により、神社建物の高層化等を図る計
画が見られますが、これは神社本来の姿に鑑みて非常に遺憾とするところです。社殿は
神様の御住居であり、何らかの形で大地と直接つながっていることが必要であります。
よって、役員、総代はこのような計画には賛成せず、神社建築の本来あるべき形を守る
よう努めねばなりません。
△役員会で確認
 ○新築・改築等の必要はあるのか。
 ○その神社古来の制式や古式の照鑑は失われないか。
 ○その祭神の由緒に相応しいか。
 ○本殿以下の諸建物との形式・配置の調和はどうか。
△役員会で決定
 ○費用はどう支出するのか(募金体制の確立)。
△手続き
 ○神社本庁に申請・承認
 ○公告(公告終了後一ヶ月の据え置き)
 ○契約締結(業者がいる場合)
 ○諸祭儀執行
 ○工事施工
 
〈募金をするにあたって〉
 氏子・崇敬者への募金について
 神社において、募金による諸事業(主に建物・工作物の変更の場合)の実施は不可欠
のものであります。その成果を挙げる最も大きな原動力は、日頃の神社と氏子崇敬者と
のつながりの度合いと考えられます。
 募金を開始するにあたっては、いろいろな方法が考えられますが、例えば、文書(趣
意書、芳名簿等)による働きかけにおいては、次の事項を正しく明記することが肝要で
あります。
△趣意書、芳名簿等の内容
 ○趣意は冒頭において文章化して述べ、標目として掲げる。
 ○実施計画について、できる限りその具体的内容を記して理解を得る(項目別列挙を
  して、建物に係わる事業の場合、規模、建設費(図示)・工事を行うものは建設費
  ・竣工(造成)予定年月日等)
 ○奉賛金の厳正管理について、趣意書中に目標額・取引銀行・期限等明記する。
 ○奉賛会の代表者を記すことは差し支えないが、やはり趣旨からして神社名及び宮司
  名を並記することが大事である。
△奉賛者に対する接遇処置の勘案
 ○奉賛者を後世に伝えるべく何らかの形で残すことを考慮して明記したい(例えば「
  芳名簿」を宮司が謹書して社殿内に置く)。
 ○奉賛者に対する事業完了の礼状等による報告と、奉告祭への案内。
 ○奉賛者に対する記念品等の配付。
 
〈庶務を仰せつかって〉
 神社の役員は、法律上定められた任務のほかに、その神社を実質的に運営してゆく様
々の庶務を行うことがあります。その内容は、一社ごとに異なると思われますが、ここ
では具体例を箇条書にして参考に示します。なお、何れも神社或いは宮司から委任され
た大切な任務であることを常に念頭において日々奉仕して下さい。
 ○役員会で決定された通り事務が行われているか確認する。
 ○役員会の出欠等を確認し、不足がある場合にはそれを補う手続きをする。
 ○必要書類の作成、管理を代表役員宮司の指示のもと適正に行う。
 ○境内の諸建物の管理を行う。
 ○その他
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