06[三 総代心得]
 
              [三 総代心得]
 
            参考:全国神社総代会編集発行「改訂神社役員、総代必携」
 
[三 総代心得]
 
〈神社の総代〉
 総代とは
 役員は、法律で決められた機関であるが、神社にはこの外に総代という制度がある。
これは歴史的な機関であって、神社にとって欠くことのできないものである。役員は原
則として宗教上の機能に対しては権限がない。それに対して総代は、法律以前の存在で
あって、むしろ宗教上或いは信仰上の機関として古くから存在し、氏子・崇敬者の代表
としてよく宮司に協力し、神社のために何かと奔走する神社の世話人ともいうべきもの
である。従って祭祀及び信仰的行事に至っては、この総代が果たす責務が多大である。
 
 総代の決定事項
 総代の法人に対する積極的権限としては、規則の定めるところによって責任役員とな
る人を選考すること、消極的には法人の状態に接触する意味で、法人の予算、決算の報
告を受けることになっているが、神社の運営について役員を助けるために、常に氏子・
崇敬者の意を察して役員に建言し得ることは当然である。
 
 役員と総代の関係
 総代は役員を兼ねることができるが、総代と役員とは、法律上の任務が異なり、それ
ぞれ独立した存在であるので、総代全員が役員を兼ね総代即役員という姿は、却って神
社運営に支障となるので、避けなければならない。従ってやむを得ない事情で役員を兼
ねる場合は、総代定数の二分の一以下の人数に止めたい。
 
 総代会の運営・合同会議
 総代会の運営は、役員会のそれに準じて行うことができると思うが、時には総代、役
員合同会議を開くこともあろう。何れにしてもそれらに関する記録文書は、神社に保存
すべきものとされている。
 
〈基本姿勢に立って〉
 代表役員、責任役員、総代等を通じて留意したいことは、それぞれの機関は、相互に
その権限を尊重し、不当に他人の権限を侵したり、過度の干渉をしたり、却って神社実
務を妨げたりするようなことのないよう留意すべきである。
 
〈総代の任務〉
 総代とは
 法人の機関として定められた任務(代表役員宮司に協力すること)の他に、「神社の
世話人」としての立場を持つ総代がある。別個に考えてみると「総代」には二種類あり、
法人法の扱う範囲のものではなく、言わばある神社を崇敬する氏子・崇敬者の代表であ
り、その他の名称と比しても「神社世話人」とも同様の立場と考えられる。何れにして
も、代表役員宮司の円滑な運営がなされるよう、助力して常に最前の方法は何かを考え
たいものである。
 
 神社世話人
 祭りは、私たちの先祖、祖父母の時代から受け継いできた慣習によるものが多いと言
える。祭りは、それぞれの役目を地域の人々が分け合って、その形を謙虚に受けとめ毎
回執り進められている。その役目を世話人として「分け合うこころ」、「持ち分けのこ
ころ」を大切にすべきである。祭りではさまざまな必要な御品を揃え、簡素であっても
しっかりと準備万端ととのえなければならない。氏子・崇敬者のみなさんがいろいろと
考えて、相談しながら持ち寄る。そんな「持ち寄りのこころ」を集約するなどの段取り
も大事な仕事である。特に、日常的には境内地は神事を始め種々の神振行事を行う場所
であり、そのため広狭に拘わらず神霊の鎮まり座す聖域として常に清浄かつ森厳な佇ま
いを有していることが大事である。
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