1101c 日本の神々と易・五行〈その10〉2
13 「一年の構造」
人の生活の基本としての時間の単位は日,月,年などですが,年穀の実りに関わる「
一年の単位」は,取り分け重要です。
一年の構造図
水
気
冬
立冬 子 立春
亥 11 丑
10 12
戌 寅
9 1
金気 秋 酉8 + 2卯 春 木気
7 3
申 辰
6 4
未 5 巳
立秋 午 立夏
夏
火
気 ※:アラビア数字は旧暦の月を示す。
一年は,前掲の五行配当表及び上表により,五行配当の下に確然とした構造を持つも
のでした。
四季の首ハジメの春は木気,夏は火気,秋は金気,冬は水気です。
春は旧暦の一・二・三月,十二支では寅・卯・辰ですが,この3月を初・中・終に分け
て生セイ・旺オウ・墓ボとします。
正月の寅月は春の初め,生気
春分を含む卯月は盛り,旺気
辰月は盛りを過ぎ晩春,墓気
とされ,以下,夏秋冬も同様に生旺墓に分けられます。
一年の循環図
冬
土用
子
亥 11 丑
10 12
戌 寅
9 1 土用
秋 酉8 + 2卯 春
土用 7 3
申 辰
6 4
未 5 巳
午
土用
夏
木火土金水の五気のうち,土気は春夏秋冬の四季の終わりの18日間に配当され,その
期間が「土用」ですが,十二支では辰・未・戌・丑の各月の中にあります。
土気の作用は土の性質からも判りますように,万物を育むと同時に万物を葬り去るも
のでもあります。土用はこの両義性の故に,各季の終わりにおかれたものと考えられま
す。例えば冬季の土用は,去るべきものは去らせ,来るべきものを生み出す力があり,
四季の転換とその循環に重要な役割を果たすとされたのでした。
消長の卦
※:月は旧暦
春 寅(一月) 泰タイ(地天泰チテンタイ)
卯(二月) 大壮タイソウ(雷天大壮ライテンタイソウ)
辰(三月) 夬カイ(沢天夬タクテンカイ)
夏 巳(四月) 乾ケン(乾為天ケンイテン)
午(五月) 女后?コウ(天風女后テンプウコウ)
未(六月) 遯トン(天山遯テンザントン)
秋 申(七月) 否ヒ(天地否テンチヒ)
酉(八月) 観カン(風地観フウチカン)
戌(九月) 剥ハク(山地剥サンチハク)
冬 亥(十月) 坤コン(坤為地コンイチ)
子(十一月) 復フク(地雷復チライフク)
丑(十二月) 臨リン(地沢臨チタクリン)
[次へ進んで下さい]