84 第三章 宗教的洞察力の霊響
 
 第一節 乃木神社の祭神に捧げられた真心の声
 
(一)序言 − 一般に
 知識と思考、信念と信仰、そして道徳の実行 − は宗教上の三つ組みで、内清浄や至
誠の一源から発したもので、それのみが人と神との聖なる交通を可能ならしめる。そし
て両者を全く一体ならしめる。かくして、優雅な神のみ光に守られて、「四海」の住民
は、各々隣人の如く、神に依って示された神の道に従って、限りなくつつましやかに、
それを見つめながら、静かに己れの生活を楽しむのである。
 
(二)結語 − 特殊な
 至誠は一切である。そこでは神と人との差はなくなり、神と人は一となる。宗教上で
は、従属は自由そのものに外ならぬ。その差異は永久に消え去る。
 
  鼎本三足一天真  鼎本三足一天真
  三足依支一鼎身  三足依て支う一鼎身
  行信知三三即一  行信知の三、三即一
  玉成三相一誠人  玉成三相一誠の人
 又
  行欠信知誰認真  行欠かば信知誰れか真を認めん
  知無行信失梁津  知無くば行信梁津を失う
  如何宗教本来相  如何が宗教本来の相
  行信知三帰一醇  行信知三は一醇に帰す
 
 徳の光は静かに広がる。静かに信仰を育て神のみ恵を楽しめ。
 
(三)真の祈願者は感謝して、無欲で崇拝する。
 (イ)真なる者は讃えられよ! 円光の聖者を歓び迎えよ!
 (ロ)心身共に清かれ、汝自信を徳の神光に依りて照らせ。
 
 第二節 乃木神社に対する、神道信仰の内面生活を若で詠んだもの − 瞑想や信心の
     敬虔な神道の気分を詠んだ歌
 
(一)宗教の堂に到れる者即ち自力本願の人は詠う。
 (イ)神と人誠一つに輝けば 二つとは無き惟神カンナガラなり
 (ロ)われに死し神に生くれば唯だ一つ 残れるものは誠なりけり
 
(二)神にたよる他力本願の人は神道の宗教心を詠って云う。
 (ハ)ひたぶるに拝オロガむ時は神と人 救ひ救はる一つ誠に
 (ニ)拝みて消ゆるわが身はそのままに 神の光に生き返るなり
 (ホ)大人ウシのごと振舞ふ人は誰れもかも 神の光の内に輝く
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