と 道祖神
 
〈どうそじん〉
 道祖神
 道祖神の古名には、岐神クナドノカミ・来名戸祖神クナドノサエノカミ・道俣神ミチマタノカミ・衢神チマタノカミ・
障神サエノカミなどがある。「道饗祭祝詞」の八衢比古・八衢比売も同神であると考えられる。
近世民間では道祖神・道陸神ドウロクジン・サイノカミなどと云った。
 猿田彦と同一視されるのは、猿田彦が衢神とよばれた古伝によるものであるが、既に
古代において複雑な神格を有している。
 これらの神の祀られている村境・峠・道の辻・橋の袂タモトは、現世と他界とを隔てる場所
と考えられ、祖先祭に当たっては祖霊を迎え祭る場所であり、時には他界からの邪霊・疫
神の侵入する処でもあった。道祖神は、後者の障りをなす邪神を統御する神と信じられ
たらしいが、それには中国大陸の疫神防止のための道饗祭ミチアエノマツリや村境の神である道
祖の信仰との習合があり、旅行神としても展開した。
 一方に祖霊祭の印象は、男女会合が背景となって、縁結び、安産の神、子供の神とな
って性神的特徴を伝えるに至った。
 
関連リンク [年中行事「12 三月の行事(百万遍念仏・注連縄)」]

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