09 大嘗祭を詠める和歌
「主基方・・・・・・朝倉山早霞聳
夕太加那類 美与能志留之止 阿左可須見 安佐久良那満爾 波屋多知仁計理
(同 右少弁正五位下藤原朝臣隆光)
「紅村風暖梅盛綻
布久加勢毛 能登介幾波留止 牟女廼者那 佐可理比左志岐 久連奈為乃武羅(同)
「高岡山苗代蒔種
喜美加与者 多可乎加耶満乃 布裳止田爾 万久奈波志路乃 多根裳都岐勢之(同)
「桜山花開行人見之
佐久者那能 曽廼名仁之於布 左久良耶満 由岐岐爾免都類 波留乃裳呂比登(同)
「藤浪杜藤花多開遊客翫之
波奈仁安加弖 屋須良不比登耶 布知那見廼 裳理能巨可計爾 千与毛倍奴遍之(同)
「神山祈佳祝懸葵
阿布飛久佐 曽能加見耶万仁 喜美加与乎 加計天裳伊乃留 登岐者可岐者仁(同)
「雲岡村雨中農夫採早苗
布類安免裳 止幾乎多加倍寿 左那遍止留 巨呂登者之類岐 久毛遠可乃武羅(同)
「桑田里家々蚕養
於佐万連類 与廼志留之登弖 止志止志爾 久波田乃佐止者 己加飛寿流那利(同)
「富緒川松根有納涼之人
遊久見都乎 牟須者奴左岐爾 数数志喜波 止美乃緒可者廼 満津乃之太可勢(同)
「豊富村黎民嘉楽
古登之那保 止与止見武羅廼 名裳之流久 仁岐波不太美能 巨衛曽喜己由類(同)
「高屋村夜静津清明
安岐加勢毛 遠止勢奴与者者 都幾毛奈保 多加屋廼牟良能 名仁耶須武羅舞(同)
「稲村岡稼得年
津見太女志 加須裳之良礼寿 以那牟羅廼 乎可多乃加里保 耶万止美流満弖(同)
「長良村有谷々菊水
幾美加与波比 那可羅廼武良乃 太仁見都者 岐久能千登勢乃 之津久奈理計理(同)
「岡倉山紅葉色々
阿喜不加見 弖良須裳美知乃 以呂以呂爾 仁之岐遠利奈寿 乎可久羅廼耶満(同)
「千田村運調物不絶
佐羅仁万多 於左満留美与廼 見都喜毛能 満津太弖万都類 千太乃牟良飛止(同)
「石代山採日蔭草
飛加計久佐 宇巨可奴美与廼 加左志登弖 伊波之呂也満爾 止理曽曽女奴流(同)
「鷺杜霜後松呈貞
佐岐乃裳利 志毛能能千仁毛 安良波連天 美佐乎太太之幾 満都廼武良多知(同)
「老人杜雪朝之望
加志巨久裳 美与爾登之布類 保止見江弖 由岐乎以多多久 於伊飛登廼毛理(同)
「悠紀方 近江国土山村
宇良爾安布 都知屋万牟羅爾 奴岐保之弖 幾美賀千登勢能 多免志爾曽津久
(輔世卿記)
「主基方 丹波国並賀村
於保也志満 久爾志呂之女須 波志女仁者 奈見加乃牟良濃 伊禰遠都久可那(同)
「神楽歌 石戸山
伊波度山 伊保津万佐可伎 止理止理爾 以能留与古登波 和賀喜見濃多免(同)
「神楽歌 神吉郷
佐加木波爾 由布登利志弖弖 幾美賀与遠 千与止裳伊能留 賀美与志能佐登(同)
あまた見しとよのみそぎの諸人の きみしもものをおもはするかな
(拾遺和歌集 十一恋 寛祐法師)
世にとよむとよのみそぎをよそにして をしほの山のみゆきをや見し
(後拾遺和歌集 十九雑 伊勢大輔)
めづらしきとよのあかりのひかりには あれたるやどのうちさへぞてる
(栄花物語 十二玉の村菊)
いなのみのおきなさびたるびんしろし 君が千年もかねてしられて
君にかく契りありけりかしこくて けさの御ゆきにかくてあふ身よ
御幸なるけさとやみねに出る日も つねよりことに影ものどけき
すべらきのやほよろづよといのるらし あまつひろめの神ぞしるらん
(以上 中務内侍日記)
くろ木もて君がつくれる宿なれば 万代ふともふりずもあらなん(金槐和歌集)
今つくる黒木のむろやふりずして 君はかよはん万代までに(同)
みるたびに思ひぞいづる水ぐきの 跡はわすれぬよゝのかたみを
(新拾遺和歌集 十九雑 従二位行忠)
△雑戴
すべらきのちよのみかげにかくれずば けふ住吉の松をみましや(続世継 三内宴)
住の江に八十島かけてくる人や 松をときはの友とみるらん
(新拾遺和歌集 十六神祇 権大納言隆季)
みそぎする八十島かけていましもや 浪をさまれる時はみえける
(新葉和歌集 二十賀 後村上院御製)
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