第六十二回神宮式年遷宮祭典と行事
△平成二十五年
お白石持シライシモチ行事 八月
この行事は、完成した正殿が建つ御敷地に敷く白石を奉献する行事です。御木曳行事
と同様に、旧神領の住民が揃いの法被姿で「浜参宮」の後、内宮は川曳き、外宮は陸曳
きでお白石を運び、御敷地に奉献します。「御木曳行事」と同様、地元の旧神領民に加
え、全国の「一日神領民」も参加します。前回は二十一万人が参加しました。
御戸祭ミドサイ
御戸祭とは、新殿に御扉を取り付ける祭儀です。御扉が付くことは殿外造作の完了を
意味します。建物の神である屋船大神ヤフネノオオカミを祭り、御扉に御鑰ミカギの穴を穿ちます。
御船代ミフナシロ奉納式
御神体の鎮まる「御船代」を殿内に奉納します。
洗清アライキヨメ
新殿竣功にあたり、殿内を洗い清めます。
心御柱シンノミハシラ奉建
心御柱とは、正殿の御床下に建てられる特別な御柱で、忌柱イミバシラ・天アメノ御柱・天ノ
御量柱ミハカリノハシラとも呼ばれます。心御柱の奉建は、遷宮諸祭の中でもひときわ重んじら
れてきた深夜の秘事です。
杵築祭コッキサイ・コツキサイ 九月
杵築祭とは、新殿竣功に際し、御敷地である大宮地を撞き固める祭儀です。祭儀に先
立ち、五丈殿で饗膳の儀を行い、新殿の周りを巡り御柱の根本を古歌を唱えながら白杖
で撞き固めます。
後鎮祭ゴチンサイ 十月
新殿の竣功に際し、大宮地の平安を祈ります。
御装束オンショウゾク神宝シンポウ読合ドクゴウ
これは、天皇陛下より大御神に献ぜられる御装束神宝の式目を、新宮の四丈殿
ヨジョウデンにおいて読み合わせる儀式です。御装束は大御神の御召し物や殿内の装飾の御
料、神宝は威儀物で遷宮毎に古式通り新調し奉納されます。
川原大祓オオハライ 十月
「仮御樋代」・「仮御船代」や御装束神宝を始め、遷御に奉仕する神宮祭主サイシュ以下の
奉仕員を「川原祓所ハライショ」で祓い清めます。
御飾オカザリ
遷御当日、殿内を装飾して遷御の準備をします。
遷御センギョ 十月
遷御とは、大御神が本殿から新殿へとお遷りになる遷宮祭の中核をなす祭儀です。百
名を超える奉仕員は、「召立メシタテ」にしたがって御装束神宝を手にして整列、天皇陛下
の御定めがあった時刻(前回は午後八時)に、大御神は大宮司・少宮司・禰宜に奉戴され
て、本殿から出御され、新殿へ入御ニュウギョされます。天皇陛下には遷御に際して勅使を
派遣され、また出御の時刻には宮中の神嘉殿シンカデンの前庭から、遥かに伊勢の方を御拝
ギョハイされると漏れ承ります。また前回は皇族を代表し、秋篠宮殿下が参列され、参道沿
いの各界の代表者を始め特別参拝者が多数祭儀を見守りました。
大御饌オオミケ
遷御翌日の早朝、新殿において大御神に大御饌(神饌シンセン)を奉ります。
奉幣ホウヘイ 十月
天皇陛下から奉られる幣帛ヘイハクを奉納します。古くは「一社奉幣」と称され、遷御と
共にひときわ重んじられてきた祭儀です。
古物渡コモツワタシ
古物渡とは、古殿の御神宝類を新殿の西宝殿サイホウデンに移す儀式です。
御神楽ミカグラ御饌ミケ
「御神楽」を行うに先立ち、大御饌(神饌)を奉ります。
御神楽 十月
天皇陛下には遷御の後、神宮に宮中の楽師ガクシを差し遣わされ、御神楽及び秘曲ヒキョク
をご奉納になります。勅使・神宮祭主以下が四丈殿内の座に着き、庭燎テイリョウの明かりが
ゆれる中、深夜まで御神楽が奏でられます。
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