31 松舘菅原神社例祭奉納神楽
  「松館天満宮三台山獅子大権現舞」概要  〔ビデオ〕
                           秋田県指定無形民俗文化財
 
                         (平成12年4月25日奉納の例)
[例祭日]
 毎年四月二十五日
 
[練習]
 例祭当日の三週間ほど前から練習開始
 
[例祭前夜]
1 宵宮祭執行 午後六時 於:宮司宅
  奉納舞楽 ①「渡御」を奏でる。
       ②「権現舞」を奉納
 
[例祭当日]
1 参進 午前十時
 ①宮司宅において、宮司以下祭員・献幣使・楽人(全員氏子)・氏子等一同、参進開
 始に当たり一拝
 ②「渡御」を三節奏でる。
 ③参進
 
2 渡御
 ①氏子等、御幣・神饌等を奉持して本殿へ参進
 ②この間、「渡御」を奏でる。
 
3 祭式
 ①祭式執行 午前十時半 於:菅原神社本殿
 ②「権現舞」を三節奏でる。
 
4 探湯式の祭場
 ①例祭当日、境内に祭場を設けて注連縄を張り巡らし、当番氏子が大釜一杯に斎湯を
 沸騰させる。
 ②祭場修祓(祭式終了直後)
 ③祝詞奏上
 
5 奉納神楽「松館天満宮三台山獅子大権現舞」
 ①神楽舞奉納
  (1) 御幣(幣束)舞
    御幣ゴヘイ(幣束ヘイソク)とは、神に捧げる物のこと。
    御幣(幣束)舞とは、御幣一対をそれぞれ両手に持って、神域や舞処を清浄に
   する舞。
  (2) 地舞
    地とは、天地の地、地を主宰する神(地神)のこと。
    地舞ヂマイとは、お湯立て神事が滞りなく斎行されるよう、そこの地神を鎮め奉
   るため、両手で印を結び、宙チュウ(空中のこと)を切って舞納める舞。
  (3) 榊舞
    榊は常緑の樹木で、古来その枝葉を神にお供えする。
    榊舞とは、天地の常磐トキワ(永久に変わらないこと)を祈願するため、紙垂シデ
   を着けた榊の枝葉を振り回して神霊を仰ぐ舞。
  (4) 青柳舞
    青柳アオヤギとは、神楽歌「催馬楽サイバラ」の曲目の一つで、その語源は「いでわ
   が駒、早く行きこせ」と云われる。
    青柳舞とは、お湯立ての火が、若駒の如く勢いよく燃えることを促すため、緑
   色の襷タスキを両手に持って舞納める舞。
  (5) 扇舞
    扇舞とは、御神徳を感謝しその慶びを神に捧げる舞のことであるが、本神楽の
   場合はお湯立ての火が盛んに燃え立っていることを祝う舞。
  (6) 剱舞
    剱舞ツルギマイとは、剱の鞘サヤを抜き払い、破邪顕正ハジャケンショウ・衆生守護シュジョウシュ
   ゴを現す、即ち剱によって身を研ぎ清めて、お湯立て神事を納め奉る舞。
 ②権現舞奉納
  権現舞ゴンゲンマイは片手で獅子頭を高く挙げ、歯を打ち鳴らして舞い回す舞で、尾絡
 オガラみ役は、獅子頭の回転に連動して絡みを行う。
  学業成就、無病息災を祈願する。
  ③お湯立て神事(探湯式)
  山伏頭巾の装束を著け、修験道の作法によって行う神事で、まず塩水で自身及び斎
 場を清め、神酒を献じた後、
  (1) 藁太総ワラタブサ(藁束房)舞・作占いの儀
    即ち、藁太総を以て護身法の九字を切り、五大尊を結び、真言を唱えて神を勧
   請カンジョウする舞を納め、藁太総を用いて大釜の熱湯を右から左へ、左から右へと
   掻き廻して渦ウズを作る。これを三度繰り返し、芯(泡アワ)の立ち具合によって、
   当年の稲作(早稲・中稲・晩稲)を占う。
  (2) 湯浴みの儀
    即ち、神霊を現す斎笹二束を両手に奉持し、大釜に煮えたぎっている斎湯を自
   ら被り、及び四方の衆生に対して斎湯を振り撒ける。
    火伏せ、無病息災を祈願する。
 
 ④獅子権現による霊力授与
  幼稚園児・氏子・崇敬者に対して、その頭部を獅子頭により噛み震い、権現の霊力
 を授与(学業成就・無病息災等)
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