070295和布刈神事
 
                       参考:堀書店発行「神道辞典」ほか
 
〈和布刈神事メカリノジンジ〉
「和布ワカメ」
 和布(若布・稚海藻・裙蔕菜とも)は海産の褐藻で、わが国各地の海岸に生ずる。長さ
約1m。葉は扁平でその中央に扁平で厚い中肋があり、その内側は羽状裂片、下部は柱状
の柄となり、岩に付着。春、茎の両側に厚い襞ヒダができ、胞子嚢を生ずる。食用。にぎ
め・めのは。
 
「和布刈神事」
 和布刈神事とは、元旦に和布を供える神事である。由来は、下関市住吉神社、北九州
市和布刈神社が、共に神功皇后三韓征伐に纏わる神社と伝えられる関係から、阿曇磯良
アツミイソラが海中の干満の珠を献じた故事によると云う説がある。住吉神社では旧大晦日の
夜に、まず海神に神饌を供えて祭典を行い、古例に倣って神職が一重ずつ餅を食べる。
この後和布刈鎌を持った神職が松明持と共に海に入り、和布を刈り取って本社に帰り、
元旦の神饌として供える。昔はこの和布を朝廷に供えたと云う。和布刈神社でも同夜行
われる。
 また島根県大社町日御碕神社では、正月五日(新旧暦の二度)に行う。此処では和布
刈の神事はなく、漁夫が刈り取って神饌と共に供える。
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