070280紫式部
 
                    参考:小学館発行「万有百科大事典」ほか
 
〈紫式部ムラサキシキブ〉
「紫式部」
 紫式部(紫珠とも)はクマツヅラ科の落葉低木。若枝や葉には星状毛があるが、後に
落ちる。葉は有枝で対生し、楕円形又は長楕円形で両端は尖り、縁には鋸歯がある。6〜
7月、葉の付け根から集散花序を出し、多数の淡紫色の小花を着ける。萼は浅く5裂す
る。花冠の先端は4裂し、外面に細い毛と腺点がある。雄蘂は4個で花冠より長い。雌
蘂は1個で花柱は雄蘂より長い。果実は球形の液果で、10〜11月、紫色に熟す。北海道
南部、本州、四国、九州、朝鮮、中国などの山地や原野に広く自生し、また庭木、切り
花として観賞する。和名は紫色の果実が美しいことから、平安時代の才媛紫式部の名を
借りて付けられた。類似した別種に、本州(和歌山県、広島県宮島)、四国、九州の暖
地に自生するトサムラサキ、本州(岩手県以南)、四国、九州、沖縄、朝鮮、台湾、中
国に分布するコムラサキ、九州(鹿児島県高隈山)に分布するタカクマムラサキ、本州
(宮城・山形県以南)、四国、九州、朝鮮に生えるヤブムラサキ、本州(南畿)、四国、
九州(南部)、台湾、中国、インドシナに分布するビロードムラサキなどがある。
 
「紫式部」
 平安中期の女房。藤原為時の女ムスメ。女房名、藤式部、のち紫式部。源氏物語の「紫
の上」と父の官位「式部丞」による名と云う説が有力。藤原宣孝ノブタカに嫁したが、まも
なく死別。のち上東門院(一条天皇の中宮彰子)に仕え、その間、道長ほか殿上人から
重んじられた。中古三十六歌仙の一。著作は「源氏物語」のほか、「紫式部日記」「紫
式部集」など。生没年未詳。
 
関連リンク先 「風俗博物館」
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