040850鳥居
 
                    参考:小学館発行「万有百科大事典」ほか
 
〈鳥居トリイ〉
「鳥」
 @鳥類の総称。
 鳥類とは、脊椎動物の一綱。温血・卵生で、体制は爬虫類に近い。角質の嘴クチバシを持
ち、歯はない。体は羽毛で覆われる。前肢は翼に変じ、多くは飛ぶのに用いる。世界中
至る所に分布し、約9000種。わが国では500種以上が記録される。
 A(「鶏」と書く) 特にニワトリの称。
 
「鳥居」
 鳥居は、「花表」「華表」の字を当て、また「於不葺御門ウエフカズノミカド」と記されたこ
ともある。神社の参道の入口、或いは山・川など信仰の対象となる自然の入口に立て、そ
の声域であることを示す象徴シンボルの機能を果たす。普通柱を二本立て、その上に笠木
カサギを渡し、また、その下方に柱を連結する貫ヌキを入れる。
 鳥居の起源については、元モト神に供えた鶏の止まり木であると云う説、或いは中国・イ
ンドなどからの影響とする説もあるが、定説はない。
 鳥居の種類は、構成部材の形状と組合せ方によって多種類に分かれ、また、材料(木
材・石・銅など)によっても分かれるが、材料は木材を使うのが本来の在り方で、他はそ
の形式の応用である。鳥居の各部分の名称には、柱・貫の他、柱の頭部を繋ぐ笠木(笠木
が上下二段になるときはその下の材を島木シマギと云う)、額束ガクヅカ(貫の中央上部に
ある材)、台輪ダイワ(柱の頭部に載せる円板状の材)、根巻ネマキ(柱の下部を包む材)な
どがある。
 
〔種類〕
(1) 神明シンメイ鳥居
 貫が柱の内側で止まり、柱が鉛直で、笠木に丸太を用いる。貫は断面が角のものと丸
太のものと両方ある。一般に神明造の社殿に用いる。ただし、伊勢の神宮の鳥居は笠木
を上下二段に作るものがあり、柱も内側に少し傾く。
(2) 黒木クロキ鳥居
 神明鳥居の形を、全部皮付きの丸太で作るもので、より古い形式と考えられる。京都
野宮ノノミヤ神社。
(3) 鹿島カシマ鳥居
 神明鳥居の貫が柱より外に出、柱も少し傾く。鹿島神宮。
(4) 明神ミョウジン鳥居
 最も一般的な鳥居で、笠木と島木に反りがあり、その先端を斜めに切る。柱は内側に
傾く。貫は柱の外に出、先端を垂直に切る。
(5) 八幡ハチマン鳥居
 笠木・島木に反りがなく、先端を斜めの切る。柱は内に傾く。
(6) 春日カスガ鳥居
 笠木・島木の先端を垂直に切る他は八幡鳥居に同じ。
(7) 山王サンノウ鳥居
 明神鳥居の笠木の上に叉首サスと束を載せた形式。総合鳥居とも云う。日吉ヒエ大社ほか。
(8) 両部リョウブ鳥居
 柱の前後に控柱ヒカエバシラを立て、柱と貫で連結したもの。厳島イツクシマ神社。
(9) 三輪ミワ鳥居
 左右に一段低い脇鳥居を付けたもの。奈良県大神オオミワ神社
 その他、住吉鳥居・宇佐鳥居・四脚鳥居など種類が多い。
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