010310葦刈神事
 
                       参考:堀書店発行「神道辞典」ほか
 
〈葦刈神事アシカリシンジ〉
「葦・蘆・葭アシ(ヨシのこと)」
 イネ科の多年草。各地の水辺に自生。世界で最も分布の広い植物の一。地中に扁平な
長い根茎を走らせ大群落を作る。高さ約2m。茎に節を具え葉は笹の葉形。秋、多数の細
かい帯紫色の小花から成る穂を出す。茎で簾スダレを作る。
 
「葦刈神事」
 葦刈神事は、四月から六月の間に所々の神社で行われる。
(一)氏子が葦を刈り取って、氏社の神に献供する神事。
(二)刈り集められた葦を神職が祓い清めて、河川湖海に流し、その漂着点を神意に適
した所として、其処に仮殿を造り、漂着した葦を「御葦」と云って奉斎する神事。
 愛知県津島市津島神社で六月十四日の夜に行われる御葦流し神事は、葦を束ねて、こ
れに疫神を託して川に流す。これが流れ寄った所には必ず疫病が起こると云う信仰があ
る。現在も行われているが、この葦が流れ着いた所では、発見者を施主にして祭を行う。
 愛知県の海岸には、この漂着地に関する伝説が多く、御葦天王社などの名で神社に祀
られた例もある。熱田神宮でも御葭神事があった。
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