03b 茶花一覧(野の花・山の花A)
○チュウジョウハク(中将白) 開花期1〜3月
白色の一重咲きで,花弁の周りに皺が入り,波打ちのある平開咲きです。
花芯はやや不完全な梅芯で,ときに弁化して唐子状になります。
葉は全体に波打ち,外側に反っています。樹形は立性,樹勢は旺盛です。
○テンリンジガッコウ(天倫寺月光) 開花期11〜12月
濃紅色,肉厚の花弁の一重,ラッパ咲きの極小輪です。
葯は退化して白芯となり,仲間に「角の光」という中輪の品種もあります。
樹形は立性,樹勢は普通です。
○トウボウサク(東方朔) 開花期11〜12月
「西王母」の実生で,やや濃い桃色に紅暈ボカしのある一重の椀咲きです。
輪芯で花糸は淡黄色,葉は先が急に尖った楕円形です。
樹形は立性,樹勢は旺盛です。
○ニホンノホマレ(日本の誉) 開花期10〜2月
淡紅色の地に白覆輪の一重咲きです。
ラッパ咲きから平開咲き,中輪から大輪で,花弁の周りが波打ち,反り返ります。
筒芯で,枝変わりに白っぽい「絞臘月」,本種から出たものに「隠れ磯」があります。
樹形は横張性,樹勢は旺盛です。
○ハクロニシキ(白露錦) 開花期10〜12月
淡桃色地に濃淡の紅色の吹掛絞り,小絞りの入る中大輪です。
13弁前後の幅広い外弁が豊かな感じで,八重,抱え咲き,対照的に芯は華奢な割芯で
す。
樹勢は並で,樹形は立性です。
○ハツアラシ(初嵐) 開花期11〜12月
白色で,ラッパ咲きから盃状咲きの一重の小中輪です。
蕾のときは最外弁が緑色で尖った形をしています。
主幹は立性,全体的には横張性で樹勢は旺盛です。
他に同名で一般的に「白玉」と呼ばれているものと区別するため,『剪花翁伝』にあ
る嵯峨を想定して「嵯峨」という呼び名があります。「白玉」と呼ばれているものは
蕾が丸いので見分けがつきます。
○ハツカリ(初雁,ショウワワビスケ・セッチュウカ・ヤナギバワビスケとも) 開花期1〜4月
極淡桃色地に淡紅色の暈ボカしと縦絞りが入る一重,筒咲きからラッパ咲きの中小輪
で,ほのかな香りがあります。
筒芯で稀に結実,樹形は立性です。
○ハルイチバン(春一番,ジョウマンジシロワビスケとも) 開花期1月
白色一重の筒咲きの小輪です。
筒芯で,樹形は立性,側枝は垂れます。
○ヒナワビスケ(雛侘助) 開花期12月
淡桃色五弁,一重の猪口咲きの極小輪で,侘助の仲間です。稀に白覆輪が出ます。
筒芯で,葯は完全に退化し,樹形は立性です。
枝変わりに「白侘助」があります。
○フブキシラタマ(吹雪白玉) 開花期10〜3月
白色地に紅色の吹掛絞りが花全体に入った中輪です。
一重盃咲きで,ほのかな香りがあり,樹形は横張性,樹勢は並です。
○ベニミョウレンジ(紅妙蓮寺,ベニレンジとも) 開花期10〜12月
紅色五弁の一重,椀咲きに近い筒咲きの中輪です。
雄蘂は輪芯で,樹形は立性,樹勢は旺盛です。
白斑入り枝変わりを「絞妙蓮寺」と呼び,類似したものに「花大臣」があります。
○ベニロウゲツ(紅臘月) 開花期10〜12月
淡紅色で,底部は白味を帯びるものがあります。
中輪から大輪,一重の平開咲きで,後に反り返ります。
雄蘂は筒芯,葉は広楕円形で葉面に黄色の玉斑があります。
樹勢は強く,樹形はやや横張性です。
「臘月」とは血族ではありません。
○ベニワビスケ(紅侘助) 開花期1〜3月
紅桃色で,白斑の入るものもあり,五弁の一重筒咲きの小輪で,侘助の仲間です。
雄蘂の葯が退化して種子ができません。
樹形は横張性,樹勢は旺盛です。
類似したものに「寒咲赤侘助」がありますが,花弁の紅色がやや濃くラッパ咲きです。
○ボクハン(卜伴,ガッコウ・ユキモチボクハンとも) 開花期2〜4月
濃紅色の一重の唐子咲き小輪で,中心の唐子弁が白色で紅白の対比が鮮やかです。
盃状咲きから平開咲きです。
樹勢は強く,樹形は立性です。
枝変わりに「星入卜伴」があります。
○マイオウギ(舞扇) 開花期10〜12月
淡桃色地に濃桃色の吹掛絞り,小絞りの入った形のよい一重の筒咲きの中輪です。
筒芯で,樹勢は並,樹形は立性,この種の代表花です。
同名にユキツバキ系の紅色のものがあります。
○ユリツバキ(百合椿) 開花期4月
濃紅色で白星の入ることもある一重の中輪で,長い花弁が反り返り,ユリのように咲
きます。
筒芯で,葉は極端な披針形で強く反り返ります。
樹勢は弱く,樹形は立性で枝垂性です。
○ロウゲツ(臘月,カクバシラタマ・ボンシラタマとも) 開花期9〜12月
白色盃状の一重咲きの中輪で,わが国での代表的な白色品種です。
幅広の弁は温度が高くなるとともに反り返り,花弁の縁に波曲が多く,雄蘂は大きな
筒芯です。
葉は厚く角張っており,枝は太く,樹勢は強い方で,樹形は横張性です。
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