22a ききょう目(ききょう科・きく科)植物
 
〈きく科〉
 
キバナノコギリソウ(黄花鋸草,ノコギリソウ(アキレア)属)
 コーカサス原産の多年草で,明治20年に渡来(小石川植物園に栽培)。高さ90〜100
 p,花は舌状花で黄色の頭花,多数集まって半球状の複散房花序を作ります。花期は
 6〜9月。園芸品種に高性で頭花の丸いパーカーズ・バライティー,一層大きいゴール
 デンプレートなどがあり,切花や花壇用。またアカバナセイヨウノコギリソウ(欧州
 原産)の品種に,アルトローザ,セリスクィーンなどがあります。
 
タカネムラサキ(オオカッコウアザミ)(高嶺紫,カッコウアザミ(アゲラタム)属)
 ペルー,メキシコ原産の半低木状多年草(栽培上は一年草扱い)で,明治20年に渡来。
 花壇,鉢物用。本種はわが国で作出された矮性種の一代交配種で高さ15〜30p,花は
 早生で青紫色の頭状花,散房花序に咲きます。花期は6〜10月。他の矮性早生に青紫
 色花のブレーザー,青色花のダニューブ,晩生に紫色花のローヤルブレーザー,矮性
 多花性に白色花のサマースノー,藍色花のブルーペッダーがあります。
 
カイザイク(貝細工,カイザイク(アンモビューム)属)
 オーストラリア原産の一年草,切花,ドライフラワー用。高さ60〜90p,花は頭花で
 径1〜2p,多数の黄色の管状花の周囲にやや大形の銀白色で乾いた総包に包まれ,
 これが花に見えます。花期は春蒔きで夏から秋,秋蒔きで翌年春から秋。
 
アナキクルス・ディプレサス(アナキクルス属)
 モロッコ原産の多年草で,第二次大戦後に渡来。花壇,ロックガーデン,鉢植え,切
 花用。高さ7〜8p,葉は美しく切れ込み,花は径2〜2.5pで白色,花は各茎に開
 き,裏弁が紫紅色で美しい。花期は5〜6月。
 
ヤマハハコ(山母子,ヤマハハコ(アナファリス)属)
 北米,アジア原産,本州から北海道の山地に自生する多年草,ロックガーデンや生花,
 ドライフラワー用。高さ40〜60p,花の中心は淡黄色の管状花,総包は白色,多数の
 頭花を散房花序に開きます。花期は春〜夏。雌雄異株。ウスユキソウに近い種類。
 
アンセミス・ティンクトリア(コウヤカミルレとも,アンセミス属)
 欧州,西アジア原産の多年草で,明治中頃に渡来。花壇や切花用。高さ30〜80p,花
 色が鮮黄色の頭状花を咲かせます。花期は6〜9月。花から染色用の色素が採れます。
 近似種に白色花で薬用にされるローマカミルレや,濃黄色大輪のアンセミス・ケルウェ
 イがあります。
 
ゴボウ(牛蒡,ゴボウ属)
 欧州から中国原産の二年草,古くから野菜として栽培,『本草和名』(918)などに「
 岐多岐須」や「宇未布々岐」と記載されています。草丈150p位,多肉の主根が地下に
 伸び40〜150pになります。花は紫色稀に白色の管状花からなる,径4p位の頭状花を
 付けます。花期は夏。
 
アークトチス・グランディス(羽衣菊ハゴロモギクとも,アークトチス(ハゴロモギク)属)
 南アフリカ原産の多年草(栽培上は一年草)で,大正初年に渡来。花壇や鉢植え,切
 花用。高さ50〜70p,花は白色で,裏弁青紫色を帯びた25〜30個の舌状花からなる頭
 花は径5〜6pです。花期は7〜9月。交配種には花色が淡紅,橙,黄色などの品種
 や,また頭花の径6〜7pのジャイアントがあります。
 
ハーレカイン(アークトチス)(アークトチス(ハゴロモギク)属)
 英国で作出されたアークトチスの園芸交配種(一年草)で,交配親は不明。花壇,鉢
 植え,切花用。草丈40〜50p,花は径10p位の頭状花で,花色は銅赤色,褐色,黄色,
 クリーム色があり美しい。夜や曇,雨天には花を閉じる性質があります。花期は春又
 は秋。
 
レディー・ヒンドリップ(アスター・アメルス)(アスター(シオン)属)
 中南欧原産の多年草で,大正時代に渡来したアスター・アメルスの園芸品種,花壇,鉢
 植え,切花用。高さ30〜60p,頭状花の径4.5p位,管状花は黄色,舌状花は桃色。ほ
 かに藤色,紅色,紫色など花色の異なる園芸品種が多数あります。花期は7〜9月。
 近似種に,本種と共にミカエルマス・デージーと呼ばれるアスター・デュモサスがあり
 ます。
 
ユウゼンギク(友禅菊,アスター(シオン)属)
 北米原産の多年草で,明治時代に渡来。花壇,鉢植え,切花用。高さ30〜150p,頭状
 花は小形で径2.5p位,舌状花は光沢のある暗菫色,また白花種もあります。花期は夏
 〜秋。園芸品種には花色が青,桃,紫,紅色などのものがあります。
 
シオン(紫苑シオン,アスター(シオン)属)
 九州,中国地方及び朝鮮半島,中国北部,シベリアに分布する多年草,庭植え,切花
 用,また根は咳止めに煎用。高さ2m位,頭状花は径2.5〜3pで舌状花は淡紫色,管
 状花は黄色。花期は9〜10月。小形の品種にわが国原産のツクネシオンがあります。
 
マルチ・ローズ(デージー)(ヒナギク(ベリス)属)
 西欧原産で明治初期に渡来したデージーの平弁小輪系園芸品種(一年草)の一つ。花
 壇や鉢植え,プランターに栽培。高さ15p位,花は径3〜4pの頭状花で花色は桃色
 の早咲き多花性,葉間より多数伸ばした花軸上に咲かせます。花期は早春〜初秋。近
 似種に白色花のマルチ・ホワイトや赤色と桃色花のカーペットがあります。
 
モントローサ(デージー)(ヒナギク(ベリス)属)
 西欧原産の野生種を改良して得られた園芸品種の一つ(一年草扱い)。本種は平弁中
 輪系に属する古い品種で,最も一般的な種です。花色には赤,桃,白色があります。
 
ポンポネット・ローズ(デージー)(ヒナギク(ベリス)属)
 西欧原産の野生種を改良して得られた園芸品種の一つ。本種は早生種で2月頃から開
 花,花色は美桃色,花径2pの極小輪の管弁八重咲き,また多花性で1株40本以上の
 花立ちとなります。色違い品種としては緋赤色花のレッド,純白色花のWhiteがありま
 す。
 
エトナ(デージー)(ヒナギク(ベリス)属)
 西欧原産の野生種を改良して得られた園芸品種の一つ(一年草扱い)。花壇,鉢植え
 にして観賞。本種は管弁中輪系に属し,暗赤色の管咲きで,花径約4p。ほかに桃色
 花や白色花の品種があります。
 
シベリウス(デージー)(ヒナギク(ベリス)属)
 西欧原産の野生種を改良して得られた園芸品種(一年草扱い)の一つ。花壇用。本種
 は管弁大輪系に属し,完全な管弁はなく半管弁,花は径7〜8pの超巨大輪,10〜15
 pの花茎の先に頭状花を単生し,花色には赤,桃,白色があります。普通春咲き。
 
アメリカギク(ボルトニア(アメリカギク)属)
 米国のコネチカット,フロリダ,ルイジアナ州原産の多年草で,大正5年に渡来。花
 壇,切花用。高さ60〜150p,頭状花は径1.2〜1.5pで舌状花は白色,菫色,紫色な
 ど。花期は7〜9月(切り戻す秋に開花)。
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