21b あかね目(あかね科・すいかずら科・まつむしそう科)・うり目(うり科)植物
〈うり目(うり科)〉
トウガン(冬瓜,トウガ,カモウリとも,トウガン属)
ジャワ原産の蔓性一年草で,中国には3世紀前半に伝えられ,わが国には『本草和名
』(918)に「加毛宇利」と記載され,古くから畑に栽培。花径7〜10pの単性花で,
花色は黄色,単生します。花期は夏。液果は長楕円体で長さ30〜50p,果皮は淡緑色,
果肉は白色,煮て食用。種子は生薬の冬瓜子。
スイカ(西瓜,スイカ属)
アフリカ原産の蔓性一年草で,古くに渡来。花は径3.5p位の淡黄色。花期は夏。液果
は品種により大玉,小玉,赤肉,黄肉,縞皮のものがあります。
セイヨウカボチャ(西洋南瓜,クリカボチャとも,カボチャ属)
中米原産と云われ,世界各地に広がり,わが国にも明治年間に渡来した蔓性一年草。
花は径10p位の淡黄色,雌花は太く短い花柄,雌雄同株。花期は夏。
ニホンカボチャ(日本南瓜,カボチャ属)
熱帯アメリカ原産の蔓性一年草で,16世紀頃に渡来したと云われます。花は橙黄色。
花期は夏。果実は普通扁球形。
ズッキーニ(ポンキン,金冬瓜キントウガとも,カボチャ属)
米国原産と云われ,江戸時代に渡来した一年草,品種によって大形は家畜飼料用,小
形は観賞用,若い果実はシチューの材料。本種は極早生,早春に開花,開花後4日位
の若い果実を食用。
ペンギン(オモチャカボチャ)(カボチャ属)
メキシコ原産の一年草オモチャカボチャの園芸品種,観賞用や玩具,日除け棚用。茎
は5稜形,多くの刺があり,春に黄褐色の花を付けます。果実は大きさ約8pの洋梨
型で,上部は濃黄色,下部は緑色,縦にクリーム色の条線が入ります。
メロン(麝香瓜ジャコウウリとも,キュウリ属)
インドから中近東原産の野生種から発達したと云われる一年草(蔓性),温室栽培さ
れる高級果実。花は黄色の単性花。花期は夏。液果は球形で径10〜15p,果皮は淡緑
色,果肉は白,淡緑,黄橙色などで,芳香と甘味があり生食。
シロウリ(白瓜,アサウリ,ツケウリとも,キュウリ属)
インド原産の野生種から発達し,中国では古代から栽培され,わが国には6〜7世紀
に伝来した蔓性一年草(マクワウリから分化),畑に栽培。普通緑色の未熟果を採っ
て漬物用(奈良漬など)。
マクワウリ(真桑瓜,キュウリ属)
シロウリやメロンの変種(一年草)。インド原産の野生種から発達したと云われ,東
アジアに紀元前に伝わり,その後わが国にも入りました。花径2p位で黄色の単性花。
花期は夏。液果は長さ12p,径7p位,果皮は黄緑色で縦に淡色の縞があります。最
近は黄色の金マクワをマクワウリと呼びます。果肉には香気と甘味があり生食。
キュウリ(胡瓜,唐瓜カラウリとも,キュウリ属)
北インド・ヒマラヤ山麓の原産(一年草),わが国では平安時代に既に知られ,野菜と
して栽培。花は黄色の単性花。花期は7〜8月。果実は円柱形,長さ15〜30p,果皮
は緑白又は濃緑色,短い疣状の白又は濃緑色の刺があります。
ユウガオ(夕顔,ユウガオ属)
アフリカ,アジアの熱帯原産(蔓性一年草),わが国では古くから果皮で容器を作る
のに栽培。花は夏の夕方に平開,翌朝凋み,雌雄別花で花色は白,径5p位。果実は
長さ60〜90p,未熟果は煮物,漬物,果肉を紐状に切って乾燥し干瓢を作ります。完
熟果は乾かして加工し,炭入,火鉢,花器,置物,盆などに利用。
ニガウリ(苦瓜,蔓茘枝ツルレイシとも,ツルレイシ属)
熱帯アジア原産(一年草),中国には明時代に伝来,わが国には1600年代の末期に渡
来。欧州では古くから観賞用,また野菜として栽培。花径2p位,花色は黄色で雌雄
別花。花期は8〜9月。果実は長楕円形で両端が尖り,瘤状突起に覆われ,熟すと黄
赤色になり裂けます。果肉には苦味があり,未熟果を漬物,煮物にして食用。
ヘビウリ(蛇瓜,ゴーダー・ビーン,ケカラスウリとも,カラスウリ属)
熱帯アジア原産の蔓性一年草で,明治末期に渡来。観賞用として栽培。高さ2m位,花
は白色で雌花は単生,雄花は総状に付け,夏頃夕方から翌早朝にかけて開花。果実は
緑色ないし緑色地に白条が入り,細長く伸びて反巻屈曲し長さ1m以上にもなります。
幼果は食用。
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