20-2 しそ目(ひるがお科・はなしのぶ科・はぜりそう科・むらさき科・くまつづら科・しそ
   科・なす科・ごまのはぐさ科・ぐろぶらりあ科・のうぜんかずら科・ごま科・いわたば
   こ科・きつねのまご科)植物
 
                    参考:北隆館発行「原色園芸植物大圖鑑」
 
〈しそ目(なす科)〉
 
ブロワリア・スペシオーサ(ルリマガリバナ属)
 コロンビア原産の不耐寒性一年草(温室内では多年草)で,大正末に渡来。鉢植え,
 吊鉢,プランター用。高さ30〜50p,花径4〜5p,花は暗紫色で藤,青色の条線が
 あり,下面は淡藤色。花期は初夏〜秋(加温温室ではほぼ周年)。園芸品種には花色
 が濃青色,銀青色,白色などがあります。
 
オオバンマツリ(大蕃茉莉,バンマツリ属)
 ブラジル原産の常緑低木で,明治中頃に渡来。庭木や鉢植え。花径5p,花は暗紫色
 で後淡色,花冠は5裂し幅広く縁はやや波状,香りがない。萼は筒状で膨れ長さ2p
 位。変種に全株粗毛,花径4p,濃紫色後白色のエクシミア,葉は披針形,花径10p
 のマジオル。また,花筒を除いて全株無毛,葉は濃緑,長さ20p,花径6〜7p,濃
 紫色,喉部に白色の采があり,昭和初年に渡来したペルー原産のマクランタがありま
 す。
 
バンマツリ(蕃茉莉,バンマツリ属)
 ブラジル原産の常緑小低木で,明治中頃に渡来。観賞用に温室栽培。高さ1〜2m,蕾
 時は紅紫色,花径4p位,花は濃紫色,中心は黄色,後次第に淡紫から白色に近くな
 ります。ジャスミンの芳香があります。花期は6月。
 
ニオイバンマツリ(匂蕃茉莉,バンマツリ属)
 熱帯アメリカ原産の常緑低木で,明治末年に渡来。観賞のため温室内で鉢植え栽培。
 花径3.5〜4p,花は初め淡紫色,中心は白色,1,2日後に白色になります。花期は
 7〜8月。別種の西インド諸島原産のアメリカバンマツリの花は初め帯黄色,後白色
 で芳香性,特に夜間によく匂います。
 
ヤツブサ(八房,トウガラシ属)
 南米原産で1542年に渡来した多年草トウガラシの変種(畑で栽培する一年草)。高さ
 60p,花は白色五弁花で,頂端に近い葉腋から花柄を出し群がって開きます。花期は
 夏。果実は細長く直立し,頂端に集まり熟すと赤色になり辛味があります。
 
ピーマン(トウガラシ属)
 熱帯アメリカ原産の多年草トウガラシの改良種(一年草野菜として栽培)。草丈60〜
 80p,花径1〜1.5p,花は白色の五弁花で,初夏に葉腋に単生。果実は一般に長方
 形,熟すと紅か黄色になります。
 
キョクコウ(トウガラシ)(旭光,トウガラシ属)
 熱帯アメリカ原産の多年草トウガラシの園芸品種(一年草扱い),観賞用として鉢植
 え。草丈15〜20pの矮性種,花は夏に頂端に近い葉腋から花柄を出して群生。果実は
 夏から秋に着け,径3p位の円錐形で熟すと乳白色から緋赤色に変わります。
 
ベニチョウジ(紅丁字,キチョウジ属)
 メキシコ原産の常緑低木で,明治末に渡来。室内鉢物。高さ1〜3m,花径2p内外,
 花は紫紅色で房状に付き下垂します。花期は夏から秋。改良種には周年開花するもの
 もあります。同属に芳香のある黄橙色花のキバナチョウジや,緑白色からクリームイ
 エロー花で夜間に芳香を放つヤコウボクがあります。
 
コダチチョウセンアサガオ(木立朝鮮朝顔,チョウセンアサガオ(ダチュラ)属)
 南米チリ,ペルー原産の一年草で,大正初年に渡来。鉢植え,庭植え,また薬用。高
 さ2m位,花径20p位の淡黄色から白色に変わる筒状花を下垂し,花冠は5裂します。
 花期は夏。麝香ジャコウのような芳香があります。
 
ヤエチョウセンアサガオ(八重朝鮮朝顔,チョウセンアサガオ(ダチュラ)属)
 エジプト,中近東,インド原産の一年草,花壇,鉢物,薬用(アルカロイドを多量に
 含む)。高さ1m,花は淡桃又は淡黄色で一重〜三重に咲き,先端は5裂し尖っていま
 す。花期は7〜10月。
 
アメリカチョウセンアサガオ(チョウセンアサガオ(ダチュラ)属)
 米国カリフォルニア,テキサス,北メキシコ原産の多年草,温室内で観賞又は薬用。
 高さ50〜90p,粉白色の軟毛があり,花は夏に径15p位の白い漏斗状の花を上向きに
 開き,芳香性。
 
キダチチョウセンアサガオ(木立朝鮮朝顔,チョウセンアサガオ(ダチュラ)属)
 中南米原産の高木性低木で,明治末年に渡来。温室内で観賞,また薬用(アルカロイ
 ドを多量に含む)。高さ3〜4m,花は長さ20〜30pの白色でラッパ状の花を5裂して
 下垂し,芳香性。花期は6〜9月。
 
トマト(蕃茄,赤茄子アカナスとも,トマト属)
 南米アンデスの高原原産の多年草(温帯では一年草として栽培),わが国では『大和
 本草』(1709)に記載されており,重要野菜となったのは第二次大戦後。高さ2m以
 上,茎葉に特有の匂いがあり,花は黄色,果実は径5〜10p,紅,橙赤,黄白色に熟
 します。
 
オオセンナリ(大千成,ニカンドラ(オオセンナリ)属)
 南米ペルー原産の一年草で,1850〜60年頃渡来。花壇,鉢植え,切花,ドライフラワ
 ー用。高さ1m位,花径は2.5〜3.7p,花色は淡青色,葉腋に単生,午後に開き夕方閉
 じて翌日凋萎します。花後ホオズキ状の液果となります。花期は7〜9月。
 
ギンバイソウ(銀盃草,アマモドキ属)
 アルゼンチンのラプラタ河流域原産の多年草で,明治末年に渡来。花壇の縁取り,ロ
 ックガーデン,鉢物など。高さ6〜7m,全株無毛,花径3〜5p,花色は白,ときに
 バラ色,又は帯青色,花筒は長さ3〜5p,花喉は黄金色,芳香性。花期は6〜9月。
 
タイタン・ローズ(ペチュニア)(ペチュニア属)
 タイタンシリーズの一種。タイタンシリーズは,アルゼンチン原産のP.axillarisと
 P.violaceaとの園芸交配雑種から改良され,わが国で作出された巨大輪系のF1(一年
 草)。花壇,鉢物用。花径10p以上の一重大輪,花色は濃桃色。花期は7〜9月。他
 に白色花のタイタン・ホワイトがあり,また赤白の絞り種なども有ります。
 
フルコン・レッド(ペチュニア)(ペチュニア属)
 ペチュニアの一代交配種で,フルコンシリーズ一重咲き,大輪系の一品種。早咲き(
 極早生タイプ)で小形の苗でも開花する,最高の花付き苗用として栽培されます。花
 径7〜8p,花色は濃い緋赤色,花弁は厚く僅かに波状となります。同系統のフルコ
 ン・ローズは紅桃色花,花芯が乳白色で美しいコントラストをなします。
 
ブルー・ピコティ(ペチュニア)(ペチュニア属)
 一般にペチュニアの名で呼ばれている品種(一年草)。アルゼンチン原産のP.axillaris
 とP.violaceaとの交配種を基に作られた小輪多花系と,大輪系の2系統間の一代交配
 品種で,鉢植え,プランター,花壇用。花径7〜8p,アサガオに似た漏斗形,花は
 紫青色に白色覆輪の大輪で,弁縁部は波状。花期は夏。
 
ドリーム(ペチュニア)(ペチュニア属)
 アルゼンチン原産のP.axillarisとP.violaceaとの園芸交配種(一年草)で,明治初期
 に渡来。花壇,鉢植え。茎は蔓性,花径約8p,花は紫地に星形の白色の模様が入り
 ます。花期は7〜9月。
 
ブラッシング・メイド(ペチュニア)(ペチュニア属)
 本種は巨大輪八重咲きの一代交配種で,軟らかいサーモンピンクのユニークな花色,
 花弁の重ね厚く,花形がよく整います。花径7〜8p。鉢植え,花壇や切花用。花期
 は夏。
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