0202植物の科名いろいろ [カ]〜[コ]
 
                      参考:小学館発行「万有百科大事典」
 
[カ]
カエデ科 双子葉植物離弁花類
 高木又は低木。葉は対生し、単葉又は複葉で托葉はない。花は両性又は単性で、屡々
 雌雄異株をなす。花序は総状花序、散房花序、ときに円錐花序をなす。包は小形で早
 落性、萼は花弁様、萼片は4、5個で覆瓦状、癒合することもある。花弁は4、5個、
 又はこれを欠き、雄蘂は4〜10個、子房は上位、花柱は1個で2個の柱頭がある。果
 実は扁平で2個の翼果に分かれ、種子に胚乳がなく種皮は薄い。北半球の温帯に多く
 分布し、2属約120余種がある。
 
ガガイモ科 双子葉植物合弁花類
 草本、低木又は蔓性植物で、多肉になるものがある。葉は多くは対生又は輪生し、単
 葉で托葉はない。花は両性で放射相称をなし、花冠は5裂し、裂片は蕾のとき捻れる
 か敷石状、小冠を有するものもある。雄蘂は5個、花糸は離生又は筒状に癒合し、葯
 は2室で柱頭に合着し、雌雄蕊癒合体を作る。花粉は花粉塊となる。子房上位で果実
 は袋果タイカ、種子に胚乳がない。世界に約220属2000種、わが国には6属27種がある。
 
カバノキ科 双子葉植物離弁花類
 落葉高木又は低木。葉は単葉で互生し、縁に鋸歯キョシがある。雌雄同株。早春に開花す
 るものが多く、多くは尾状花序をなす。雄花穂は長く下垂し、鱗片の内側に1〜3個
 ずつ雄花を着け、花被は2〜4裂し、又は花被はなく、2〜5個の雄蘂がある。雌花
 穂は直立又は下垂し、雌花は花被がないか、又は子房を包み、2個の長い花柱がある。
 果実は堅果で翼があるか、又はない。主として北半球に分布し、世界に7属約100種が
 知られ、わが国にはカバノキ属、ハンノキ属、クマシデ属、ハシバミ属、アサダ属な
 ど約35種が分布する。建築、器具、パルプ、薪炭シンタンなどの材に利用され、ハシバミ
 属の果実は食用となる。
 
カヤツリグサ科 単子葉植物
 イネ科植物と外形はよく似ているが、稈カンは断面が三角形で中実となり、葉は葉序の
 3分の1の高さに付き、葉鞘ヨウショウはその縁が合着して完全な筒形となる。葉は小穂上
 の鱗片腋リンペンエキに単生する。花被片は一般に退化して剛毛状になり、稀には鱗片状、
 ときには全く発達しない。子房は1室で、内部に直立倒生の胚珠1個があり、頂に上
 半が2〜3裂する花柱がある。果実は痩果ソウカで、内部に1個の種子がある。スゲの類
 は雌花と雄花の別があり、雌花小穂は退化してただ1個の雌花だけとなり、小穂の基
 部にあった前葉の変成した果胞(果嚢カノウ)に包まれ、果胞の先端の孔から花柱が出て
 受粉する。カヤツリグサの類では小穂の鱗片が左右2列に並び、花の剛毛(花被片)
 は発達しない。ワタスゲの類では剛毛が多数で白く、伸長する。全世界には約70属
 3500種、わが国には17属350種内外が分布している。
 
[キ]
キキョウ科 双子葉植物合弁花類
 草本、稀に木本で、白色の乳液があるものが多い。葉は互生し、托葉はない。花序は
 有限、花は両性で放射相称又は唇形シンケイで、普通5裂片に分かれる。雄蘂は花冠片と
 同数、葯は離れるか合生する。子房は下位又は半下位で5心皮からなる。果実は朔(
 草冠+朔)果又は液果。世界に約60属1500種が知られ、わが国には9属約26種を産す
 る。
 
キク科 双子葉植物合弁花類
 タンポポ亜科とキク亜科に2大別される。草本又は木本で、乳液を持つものがある。
 葉は互生又は対生で稀に輪生し、単葉又は複葉でときに針状になる。托葉はない。花
 は頭状花序(頭花)をなし、総包片ソウホウヘンに囲まれる。花は両性又は単性で、広い花
 床上に着く。雌雄同株又は異株。花冠は合弁であるが、管状花冠と舌状花冠の2形が
 ある。管状花冠は、管状又は盤状で先が5裂し放射相称をなすが、ときにはやや唇形
 状になり、多少左右相称になる。舌状花冠は、筒部は短く、舌状部が長く、先が3〜
 5歯になる。萼は変形して冠毛になり、又は鱗片状か芒ノギ状になる。雄蘂は5個で花
 冠に付き、葯は互いに癒合して花柱を取り巻く。雌蘂は1個、子房は下位で、2心皮
 からなり、1室で中に1個の倒生胚珠がある。花柱の上部は細いか、節状に肥厚する
 ものがある。柱頭は2個、いろいろの形がある。果実は痩果、種子に胚乳がなく、胚
 は大形で真っ直ぐである。
 キク科は、双子葉植物では最も分化したもので、世界におよそ950属2万種が知られ、
 地球上至る所に生育する。わが国には約70属360種が自生し、多くの栽培植物や帰化植
 物がある。
 
キツネノマゴ科 双子葉植物合弁花類
 草本、低木又は蔓性植物で、葉は対生する単葉、葉肉内に鍾乳体ショウニュウタイがある。托
 葉はない。花は両性で、左右相称をなす。萼は深く4〜5裂、花冠は5裂し、2唇形
 になる。雄蘂は2個又は4個で、2個は長く花筒に付く。葯の形と位置はいろいろで、
 距のあるものがある。子房上位、果実は朔(草冠+朔)果。世界に約240属2200種、わ
 が国には5属6種がある。
 
キョウチクトウ科 双子葉植物合弁花類
 大部分は常緑の木本であるが、僅かに蔓性のもの、稀に草本のものがあり、何れも白
 色の液汁を含む。葉は対生又は輪生し、稀に互生する。花は両性で、放射整正をなす。
 雄蘂は4〜5個。子房は上位で2室又は1室、花柱は1個。果実は液果、核果又は袋
 果となる。種子には多くの胚乳があり、屡々翼や又は一端に長毛を付ける。熱帯と亜
 熱帯に多く、約300種1100種が記載発表されている。わが国にはテイカカズラ属のテイ
 カカズラ・ケテイカカズラ・リュウキュウテイカカズラなどと、サカキカズラ属のサカ
 キカズラを産する。
 
キンポウゲ科 双子葉植物離弁花類
 草本、稀に低木、又は蔓性の木本。葉は互生し、ときに対生する。花は両性花で、放
 射相称又は左右相称をなす。萼片は3〜多数、互いに離生し、多くは覆瓦状をなし、
 屡々花弁状になる。花弁は3〜多数で互いに離生し、ときに退化、変形する。雄蘂、
 雌蘂共に多数で互いに離生する。果実は痩果、袋果で、稀に朔(草冠+朔)果、液果
 がある。種子は1乃至多数で、胚は小さい。世界に40属1500種、温帯、亜熱帯に多い。
 わが国には20属約109種を産する。
 なおオダマキ属を本科から独立させてオダマキ科としたり、また、本科のシラネアオ
 イ属とメギ科のミヤオソウ属、サンカヨウ属とを合わせてミヤオソウ科を立てる説が
 ある。
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