[詳細散歩] 参考:北隆館発行「野草大百科」など 〈ユリの仲間〉 わが国の野生のユリは、十数種がある。分布別に見ると、適応性が高く、北海道から 九州まで分布しているものとしては、ヒメユリ、コオニユリ、オニユリがある。中部地 方や関東地方の1000m以上の高地などの寒冷地を好むものとしてはクルマユリがある。こ れは北海道では平地にも見られる。東北地方の山地のオトメユリ、北海道の海岸に生え るエゾスカシユリもこの型である。近畿地方から東北地方にかけては広くヤマユリが分 布する。同じ地帯の太平洋側にはイワトユリ、日本海側にはイワユリが自生している。 伊豆諸島にはサクユリが見られる。中部地方から中国地方、四国には広くササユリが分 布している。九州と四国の山地にはカノコユリ、九州と沖縄にはスゲユリ、琉球諸島に はテッポウユリ、奄美大島にはウケユリ、また口之島にはタモトユリがある。 ユリの語源は、大きい花が風に揺れて動くからとも、鱗片が多く寄り合うとも、花が 美しく映えるからとも云われる。 多くの古典や古い書物にも載っている。ユリ(百合・由利・由里)、別名ユル(百合・由 流)などである。これらユリは、山百合、姫百合、鬼百合などの総称としている。 ユリの属名Liliumは、Li(白)とlium(花)から来ている。 なお、クロユリはバイモの仲間で、ユリとは異なる。