[詳細散歩] 参考:北隆館発行「野草大百科」など 〈マツヨイグサの仲間〉 マツヨイグサの仲間は、一般には月見草と云われている。月見草と呼ばれているもの にはツキミソウ、マツヨイグサ、オオマツヨイグサ、アレチマツヨイグサなどがある。 ツキミソウは白い花を着ける北米減産の花で、野生のものではない。栽植されている園 芸種でモモイロツキミソウなどの品種もある。 マツヨイグサは南米原産で、ツキミソウと同時に観賞用として移入されたものである が、この方は繁殖力が旺盛だったために野生状態になっている。花は鮮黄色で夕方に咲 き、翌朝凋んでしまう。凋むときの花色は紅色となる。 前記白色のツキミソウも、開花時は白色で凋むときは桃色となる。 オオマツヨイグサは北米原産で、明治の初めにわが国に渡来し、全国の河原や土手な どにごく普通に見られたものである。オオマツヨイグサの大形で鮮黄色の花は良く目立 つので、詩歌や小説に月見草とか待宵草或いは宵待草と詠まれたり記述されている。と ころが現在では、オオマツヨイグサに代わってアレチマツヨイグサが都会地を中心に目 立つようになっている。 オオマツヨイグサの夕方開く機構の研究は、東洋英和の先生であった斉藤美和氏が行 い、この研究で学位を得ている。生物の内生リズムと光と温度が関係する開花時間の研 究は、アサガオやタンポポでも行われており、教材としても興味のある仲間である。開 花している時間が、夕方から朝にかけてなので、この花の受粉は昼行性のミツバチやハ ナアブではなく、夜行性のガなどの昆虫によって行われている点でも観察教材となる。