02 薬膳粥その1
 
              薬膳粥その1
 
               参考:JA沢田薬王園発行「カラダのための薬膳粥」
                  (著者:鈴木益子氏・大澤啓助氏)
 
                   JA沢田 薬王園
                   群馬県吾妻郡中之条町大字折田2411
                   TEL 0279-75-7111  FAX 0279-75-7123
 
 「薬膳」の思想は,三千年の昔中国に興った周王朝の時代に『周礼』と云う本に記さ
れた,良い食事を摂ることによって体を強健にして病気に罹らないようにすると云う考
え方です。この考え方は,中国においては王族から一般の人々まで行き渡り,わが国に
も古くから伝わって来ました。
 
 最近,栄養学に基づく栄養源としての食物と,漢方薬の素材である薬草とを合わせて
食することにより,病気に罹らないように,或いは病気を治す方法として,「薬膳」思
想がまた見直されて来ています。
 本稿はこれまで知られてきました食品素材の薬効を基に,「食品薬理学」の考え方に
立ち,家庭において手軽に作ることの出来る「薬膳粥」を紹介したものです。各食品に
ついて栄養分析値を参考にし,蛋白質・炭水化物・脂質・ミネラル類・ビタミン類をバ
ランスよく摂り,薬効も加味して毎日の健康な食生活に生かしていただけるように編集
されています。更に料理は美味であり,見た目も美しくという芸術的要素も満足させな
ければなりません。それらの点も考慮して編集されています。
 なお,本稿において紹介している薬膳素材の中には「医薬品」と判定されるものも含
まれています。漢方薬店から入手し,分量を厳重に守って用いて下さい。
 
【白粥】
 
 まず,「白粥」を美味しく炊き上げましょう。
 
 お米を軟らかく炊き上げた白粥は,消化吸収に優れ,体を芯から温めてくれます。わ
が国の伝統食「七草粥」は,若返りの植物である初春の若菜を摘み,一年を健康に過ご
せるようにとの願いを込めて正月七日に戴きます。低カロリーで体に優しいお粥は,い
ま元気回復食の定番として注目されています。
 お米本来の淡泊な美味しさを以て味わう白粥に,ハーブを載せて一寸お洒落に,四季
折々の野菜を加えてよりヘルシーに,体力の衰えているときにこそ,一寸したアレンジ
によって食欲増進を図りましょう。
 それでは,白粥の基本的な作り方をマスターして,わが家の味を工夫してみて下さい。
 
 材料:4〜5人分/白米180g,水1400ml
 作り方:@ボールに分量の白米を入れ,たっぷりの水を一度に注いで手早く2〜3回
   掻き廻し,直ぐに濁った水を流す。
  A指先を立てるようにしてシャッシャッと研ぎ,再び水を一度に注いで手早く濁った水を
   流す。水が澄むまで3〜4回繰り返す。
  B洗った白米と7倍量の水を鍋に入れ,強火にかける。
  C沸騰したら中火にし,噴き零れないよう蓋をずらす。鍋に箸を渡し,その上にず
   らした蓋を置くと,煮え加減を目によって確かめながら調理出来る。
  D途中での差し水はしません。また,掻き混ぜると白米が糊状になってしまうので,
   とろ火でそっと炊き上げる。穴がポコポコ空くようになったら火を止める。
  E蓋をしたまま5〜10分程蒸らして出来上がり。
 
 なお,残ったお粥を再度温めるときは,水ではなく,90℃のお湯(ポットのお湯)を
足して温めて下さい。
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