06 食べられない山菜
食べられない山菜
参考:永岡書店発行「山菜・木の実・草の実ガイドブック」
〈山の山菜〉
トリカブト [鳥兜・附子(ぶし・ぶす) やまとりかぶと]キンポウゲ科
有毒
本州中部地方以北の山地の林内に生える多年草で,地下茎の茎から葉が四方に束にな
って生え,後に茎が立つ。葉の集まりの上に蕾みが出来,夏から秋に青紫色の花が
咲く。ニリンソウに似ているが,葉の切れ込みはニリンソウより複雑である。
ツタウルシ [蔦漆]ウルシ科
有毒
北海道〜九州の山地に生える落葉蔓性木本で,木や岩に高く這い登る。5〜6月に葉
の付け根に黄緑色の小花が円錐状に多数咲く。イワガラミに似ているが,イワガラ
ミは2枚の葉が対生し,ツタウルシは3小葉で紅色を帯び,ピカピカした艶がある。
タケニグサ [竹似草・博落廻 ちゃんぱぎく]ケシ科
有毒
本州〜九州の日当たりの良い荒れ地や道端などに多い大形の多年草で,夏に花弁のな
い白い小花が多数咲く。茎を切ると黄色の有毒の乳液を出す。茎を伸ばす前の葉姿
はウドに似ているので注意をする。
ヤマウルシ [山漆 うるし]ウルシ科
有毒
北海道〜九州の山地に生える落葉小高木で,5〜6月に葉の付け根に黄緑色の小花を
円錐状に多数着ける。折ったり触ったりすると被れ,ハゼノキやヌルデも被れるこ
とがある。若芽はコシアブラやハリギリに似ているので要注意。
ヨウシュヤマゴボウ [洋種山牛蒡]ヤマゴボウ科
有毒
北アメリカの原産で,空き地や道端に雑草化している。6〜9月に僅かに帯紅色の花
弁のない小花を開く。モリアザミ(山牛蒡)の根と似ているので要注意。若芽も食
べない方が良い。
ハシリドコロ [走野老 ロート根]ナス科
猛毒
本州〜九州の沢沿いなどの湿った処に生える多年草で,食べると幻覚症状を起こす。
春に葉の付け根から暗紅紫色の花が垂れ下がって咲く。山菜の何に似ていると云う
ことはないが,柔らかい葉は黄緑色で,如何にも美味しそうに見えるので要注意。
コバイケイソウ ユリ科
有毒
北海道・本州中部地方以北の山地〜亜高山の湿原や湿り気の多い草地に生える大形の
多年草で,6〜8月に白い花を円錐状に多数開く。芽生えの頃はキボウシと似てい
るが,コバイケイソウは生え際が太く,葉が堅そうに見える。バイケイソウやアオ
ヤギソウの仲間は食用とはならない。
ホウチャクソウ [宝鐸草]ユリ科
有毒
北海道〜九州の山野の林の下に生える多年草で,4〜5月に3p位の筒状の帯緑白色
の花が垂れ下がって咲く。アマドコロやナルコユリ,ヒロハユキザサなどは食べら
れるが,ホウチャクソウや,チゴユリ,タケシマランは食べられない。
スズラン [鈴蘭]ユリ科
有毒
北海道〜九州の高原の草地などに多い多年草で,4〜6月に芳香のある可愛い鈴のよ
うな花が下向きに開花する。カタクリやギョウジャニンニクと間違うことがある。
〈里の山菜〉
クサノオウ [瘡の王]ケシ科
有毒
本州〜九州の道端や草地,林の縁などに生える多年草で,5〜7月に枝先に2p位の
黄色の4弁花が数個咲く。折るとオレンジ色の汁が出る。山菜に紛れ込むことがあ
る。
ホトケノザ [三階草]シソ科
有毒
本州〜沖縄の畑や道端に普通に見られる二年草で,3〜6月に紅紫色の細長い唇形花
を数個ずつ輪生する。春の七草の一つである「ほとけのざ(コオニタビラコ キク
科)」とは全く違う。
ヒメオドリコソウ [姫踊子草]シソ科
有毒
ヨーロッパ原産の二年草で畑や道端などに見られ,4〜5月に上部の葉の付け根に桃
色の小さな唇形花を着ける。ギシギシ,スイバ,ナズナなどと混じって生えている
ので要注意。
テンナンショウ属 [天南星 まむしぐさ]サトイモ科
有毒
テンナンショウ属,ヤマノイモの仲間のニガカシュウ・オニドコロなどの芋や葉・花
は食べられない。
ヒガンバナ [彼岸花・曼珠沙華マンジュシャゲ]ユリ科
有毒
中国から渡来したとも云われ,全国の人里に近い処に群生する多年草で,9月の彼岸
に赤色の花を輪状に着ける。ヒガンバナ属(ナツズイセン・キツネノカミソリ・オ
オキツネノカミソリなど)は全て有毒である。
〈水辺の山菜〉
ドクゼリ [毒芹]セリ科
猛毒
北海道〜九州の湿地や沼,川の辺りなどに生える多年草で,6〜8月に枝先に複散形
花序を付け,白い小花を多数開く。セリは水辺に生え,ドクゼリは水中に生えるの
で区別出来る。
キツネノボタン [狐の牡丹]キンポウゲ科
有毒
全国の溝の側や田の畦,湿り気のある道端などに生える越年草で,4〜7月に1p位
の黄色の五弁花を開く。セリの茎は無毛,キツネノボタンの茎には毛がある。
〈海辺の山菜〉
ハマウド [浜独活]セリ科
有毒(苦味が強く不味い)
本州関東地方以西〜沖縄の海岸に生える多年草で,4〜6月に枝先の複数形花序に白
い小花を多数着ける。ハマウドは葉の柄に紫色の縞があり,また海岸に面した草む
らに生え,アシタバは海岸から一歩後退した林の陰などに生える。
ボタンボウフウ [牡丹防風]セリ科
有毒
本州中部地方以西〜沖縄の海沿いの草地や崖,岩場などに生え,7〜9月に白い小花
が多数集まって複数形花序を作る。ハマボウフウは砂浜に多い。
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