05 天麩羅の基本技術
 
                天麩羅の基本技術
 
                     参考:旭屋出版発行「天ぷら・うなぎ」
                        ・柴田書店発行「天ぷら」
 
〈下拵えシタゴシラエ〉
△エビ
 @頭の部分を指で摘んで引き抜く,同時に背腸セワタも取れる。
 A足も綺麗に取る。
 B尾は水袋(水が入っている)になっているので,先から1/3当たりを切り取る。
 C殻は尾の方を1節残して,残りを綺麗に剥き,塩氷水で洗ってアクを取る。
 D揚げたとき身が曲がらないように,腹側の筋に3ケ所切れ目を入れる。
 
△キス
 @包丁で尾の方から鱗ウロコをこそげ落とす。
 A頭を切り,内蔵を出して薄い塩氷水で洗って身を締め,背から割く(背開き)。
  魚介類共通注意事項:塩水で洗った後は,再び水で洗わないこと。
 B皮目を上にして,中骨に沿って包丁を入れ,中骨を取る。尾は残す。
 C身を上にして腹骨をすき取る。
 D背鰭セビレ・尾鰭などは綺麗に取る。
 
△イカ
 @皮を剥いて,斜めに隠し包丁を入れる。
 A裏返して,反対方向に隠し包丁を入れる。
 B2〜3p幅の短冊に切り分ける。
 
△稚鮎(若アユ)
 @10p程度の鮮度の良いものを選ぶ。
 A指で腹から尾に向かって軽くしごいて糞を出し,鮮度が落ちるので直ぐに揚げる。
 
△小茄子
 @蔕ヘタの部分を切り取り,縦半分に切る。
 A上部を少し残して,数ケ所に切れ目を入れる。
 B扇を広げるように切れ目を開き,形を整える。
  なお,ABをしないで,飾り包丁にすることもある。
 
△薩摩芋
 @水には晒さない。
 A切ると切り口が変色するので,揚げる直前に切る。
 
△ごぼう・人参
 @ごぼうは長さ7〜8pの細切りにして,水に晒す。
 A人参は厚めの桂剥きにして,長さ7〜8pに切る(芯は天種にしない)。
 
△三つ葉
 @数本まとめて,葉に近いところを軽く千代結びにする。
 A結ぶとき茎が折れないよう,予め指で茎を押しておく。
 
△空豆
 @莢サヤを捻って空豆を取り出す。
 A空豆の皮の黒い部分を包丁で切り除いて,皮を剥く。
 B皮を剥いた実は下茹ではしない。
 
△銀杏・莢豌豆・輪切り小玉葱
 形良く揃えて,串や長めの楊子に刺して揚げる。
 
△豆腐
 @木綿豆腐は水切りしないで揚げる。
 A八等分の大きさに切る。
 
△鶏笹身
 @鮮度の良い笹身を用意し,笹身の筋を取る。
 A適当な大きさに切り,横から包丁を入れて開いて揚げる。
 
〈衣の作り方〉
材 料:全卵1個,卵黄3個分,水900ml,薄力粉900g
作り方:@全卵と卵黄を割りほぐし,水を加えて良く混ぜ合わせる。
 A予め篩っておいた薄力粉を@の卵溶き水に加える。
 B衣箸又は泡立て器などで上から押さえるように,サックリと混ぜる。
 C衣の濃さは,衣箸で垂らしてトロッと落ちる程度のゆるさとし,少しダマが残っても良
  い。
 D材料が冷たくなかったり,強く掻き混ぜたり,衣の時間が経ったりすると粘りが出
  でるので,注意しましょう。
 
メ モ:@天麩羅粉は,直ぐ揚げ良いように,調合されたものが市販されています。
 Aイスハタ(イーストパウダーのこと)と云う膨張剤を衣に加えると,カラッと揚がり,舌触り
  も良くなります。これは和菓子店の蒸し菓子に用いられる膨張剤で和菓子材料問屋
  で入手出来ます。ベーキングパウダでも同様の効果が得られます。
 
〈揚げ油〉
 サラダ油7にごま油3の割合で配合する。
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