[詳細探訪] 参考:小学館発行「万有百科大事典」 〈モリアオガエル〉 モリアオガエル森青蛙は、両生綱無尾目アオガエル科に属するわが国固有の種である。 本州と四国に生息し、南部では山地に棲むが、北部では低地にも居る。背面は緑色で、 暗褐色の不規則な小斑ショウハンを散布することが多い。ほぼ同様の地域に分布するシュレー ゲルアオガエルより大形で、体長5〜8p。 5〜6月に山間部の池の上に張り出した木の枝や葉の間に産卵するが、ときには水辺に 産卵することもある。雌の産む卵を、抱接した雄が受精させながら後肢で掻き混ぜるた め、卵塊は白色の泡状となる。しばらくすると卵塊の表面は黄褐色となり、やや硬くな って内部の卵を保護する役割を果たす。胚は最初黄白色であるが、孵化する頃には黒色 色素が形成される。孵化期になると卵塊は崩れ始め、オタマジャクシは下の水面に落下 する。緑色の色彩は変態期に発現する。産卵習性が変わっているため、その生息地は国 や県の天然記念物に指定されているものが多い。