03b 森林の土を掌に〈土壌のでき方〉
 
〈世界の主な土壌の種類〉
 
              THORPらの行った分類
 
  Order    Suborser         Great soil group(大土壌群)
                                                                       
  成帯土壌  極寒地土壌        ツンドラ土
 
        乾燥地帯の淡色土壌    砂漠土
                     赤色砂漠土
                     シーロゼム
                     褐色土
                     赤褐色土
 
        半乾燥,半湿及び湿潤草原 栗色土
         の暗色土壌       赤栗色土
                     チェルノーゼム
                     プレイリー土
                     赤色プレイリー土
 
        森林草原転移地帯の土壌  退化チェルノーゼム
                     非石灰質褐色土又は山東褐色土
 
        森林地帯の淡色ポドゾル性 ポドゾル
         土壌          灰色森林土(又は灰色ポドゾル性土壌)
                     褐色ポドゾル性土壌
                     灰褐色ポドゾル性土壌
                     赤褐色ポドゾル性土壌
 
        暖温帯及び熱帯地帯森林地 赤褐色ラテライト性土壌
         のラテライト土壌    黄褐色ラテライト性土壌       
                     ラテライト     
 
  成帯内土壌 排水不良の乾燥地帯及び海 ソロンチャク又は塩類土
         岸沖積地の塩成土(塩類 ソロネッシ
         土及びアルカリ土)   ソロジ
 
        沼沢・湿地・湧水地及び低 腐植質グライ土壌(湿草地土壌を含む)
         平地の水成土      高山草原土
                     泥炭土
                     半泥炭土
                     寡腐植グライ土壌
                     粘土質土壌
                     地下水ポドゾル
                     地下水ラテライト
 
        石灰成土         褐色森林土(褐色土)
                     レンヂナ
 
  非成帯土壌              岩屑土
                     レゴゾール(砂丘を含む)
                     沖積土
 
 △ツンドラ土
 シベリア・アラスカなど極地方に分布します。表層に泥炭層を伴い,夏季でも下層に
永久凍土層が現れます。低温のため蒸発散量が少なく,降水量が少ないわりには湿潤で,
蘚苔類,小潅木類の遺体が分解せず堆積した土壌です。
 
 △ポドゾル
 シベリアやカナダなどの主に針葉樹林帯に分布します。なかにはヒースや草原にも見
られるものもあります。わが国でも平地では北海道の一部,中部山岳などの高山に分布
します。狭義のポドゾルは主に寒冷・湿潤な気候下の乾きやすいところに分布しやすい
ですが,熱帯でも堆積腐植層が厚くたまるところに分布します。
                                                                            
 △褐色森林土
 湿潤な気候条件下ではツンドラ,ポドゾルに次いでより南部の温暖な地帯の,主に広
葉樹林下に出現します。カルシウムなどの塩基の溶脱は進んでいますが,鉄やアルミニ
ウムの多価カチオンはほとんど溶脱されていない褐色の土壌で,表層は腐植に汚染され
て暗褐色を呈します。降水量の少ない地帯にも類似の土壌がありますが(ブラウンアー
ス),カルシウムなどの塩基の溶脱は進んでおらず,表層の有機物量も少ないです。
                                                                            
 △ラテライト
 熱帯の低海抜地の,乾季を持つ地域に生成されやすい土壌です。前述のラテライト化
作用を強く受けた赤色の土壌ですが,最近この生成作用について異論がでています。赤
黄色ポドゾル化土と関連があるとされています。
                                                                            
 △チェルノーゼム(プレイリー土)
 ポドゾル地帯と乾燥ステップ地帯に挟まれた地帯に分布する土壌で,有名な世界のコ
ムギ地帯の多くはこの土壌と関係が深いです。例えばポーランド,ウクライナ,カナダ
中南部からアメリカ中南部にかけての地域に分布します。自然植生はハネガヤなど禾木
科草本を主として,夏季は高温で乾燥し,冬季は寒冷で湿潤な地帯に生成される土壌で
す。冬季の低温のため有機物分解がおさえられ,黒色の厚いA層が生成されます。カル
シウムに飽和されており,炭酸カルシウムの結核が見られます。有機物はカルシウムと
結合し,カルシウム型腐植として存在し,黒色のA層を形成しています。日本の黒色土
の腐植が鉄やアルミニウム型となることが多いので,この土壌と日本の黒色土とは外見
は似ていますが,性質はかなり違います。プレイリー土はカルシウムの飽和の程度が若
干低いです。
                                                                            
 △栗色土
 チェルノーゼムと次の砂漠土に挟まれた地帯に分布する土壌で,したがってチェルノ
ーゼムよりも乾燥気候の影響を強く受けています。植物の生産が少ないので,腐植の集
積量は少なく土壌は栗色を呈します。炭酸カルシウムと硫酸カルシウムの固まりが見ら
れます。
                                                                            
 △砂漠土
 植物の影響はほとんどなく,常に流砂や飛砂の影響を受け,未熟です。
                                                                            
 △テラロッサとレイヂナ
 どちらの土壌も石灰岩や泥炭岩などカルシウムやマグネシウムに富んだ岩石から生成
されます。乾期・雨期のある地方に生成されやすいです。テラロッサは粘土が多く,腐
植に乏しく,全体としてチョコレート色を呈します。一方,レンヂナは,やや湿潤な地
域で,有機物供給がかなり多いところで生成されやすいです。したがって土壌は腐植質
で,腐植はカルシウムで飽和されています。A,C両層によって構成されています。
                                                                            
 △グライ
 地下水の停滞のためグライ化作用によって生成された青灰色の層位(G層)の発達し
た土壌です。全世界の名所に分布します。
                                                                            
 △塩類土
 冷温帯から熱帯にかけての半乾燥〜乾燥地に出現する塩類集積作用の結果生成された
灰色の土壌で,多量の水溶性塩基類を含みアルカリ性です。旧ソ連ではソロネッツとソ
ロンチャックに区分し,前者は炭酸ナトリウムを多量に含み下層に柱状構造が発達しま
すが,後者は炭酸ナトリウムの含量が少なく,柱状構造も発達しません。
 
             参考 「森林土壌の調べ方とその性質」林野弘済会発行

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