06c レッドデータアニマル〈日本絶滅危機動物2〉
 
オオウラギンヒョウモン チョウ目タテハチョウ科
 以前は全国の草原に見られました。西日本の山地草原・牧場周辺に生息しています。
 開帳70〜80o,前翅長雄30〜38o,雌35〜47oで,幼虫の主食草はナミスミレです。
 
アサヒヒョウモン チョウ目タテハチョウ科 日本固有亜種 国指定天然記念物
 北海道大雪山系1800m以上の高山帯に生息し,日本産ヒョウモン類の中では最小型種
 です。矮性植物群落で生活し,幼虫はキバナシャクナゲを主食草とします。前翅長18
 〜23o。
 
ヒョウモンモドキ チョウ目タテハチョウ科
 関東から中国地方の低地・低山性の草原に生息します。前翅長32〜34o,幼虫の食草
 はキク科のタムラソウ・アザミ類で,群居します。
 
タカネヒカゲ チョウ目ジャノメチョウ科 日本固有亜種
 北アルプスと八ヶ岳の標高2500m以上にすむ高山チョウで,日本産チョウの中で最も
 高いところに生息します。幼虫は山頂付近のカヤツリグサ科のイワスゲ・ヒメスゲな
 どを食草としています。
 
タイセツタカネヒカゲ チョウ目ジャノメチョウ科 日本固有亜種 国指定天然記念物
 北海道大雪山系,日高山脈などの1700m以上の高山帯の砂礫地に分布し,幼虫はカヤ
 ツリグサ科のタイセツイワスゲ・ミヤマクロスゲなどを食草とします。前翅長24〜30
 o。
 
クモマベニヒカゲ チョウ目ジャノメチョウ科 日本固有亜種
 ユーラシア大陸に広く分布し,北海道では1200m,本州中部地方では1600m以上の高山
 地帯の,森林限界付近の疎林周辺若しくは草原地帯に生息し,イネ科のイワノガリヤ
 ス・カヤツリグサ科など数種を食草とします。前翅長22〜28o。
 
クモマツマキチョウ チョウ目シロチョウ科 日本固有亜種
 本州中部地方の山間部の明るい河川沿いに見られ,崖崩れなどに生えるアブラナ科ヤ
 マハタザオやイワハタザオを食草とします。前翅長18〜23o。
 
ミヤマシロチョウ チョウ目シロチョウ科 日本固有亜種
 本州中部地方の1200〜2000mの疎林・渓流沿い・牧場などの草原の,メギ科のヒロハ
 ヘビノボラズ又はメギを食草とします。前翅長30〜40o。
 
ヒメチャマダラセセリ チョウ目セセリチョウ科 国指定天然記念物
 北海道日高山脈アポイ岳などで記録され,カンラン岩質のお花畑で生活し,幼虫はバ
 ラ科のキジムシロ・キンロバイを食草とします。前翅長10〜13o。
 
アサヒナキマダラセセリ チョウ目セセリチョウ科 日本固有種
 八重山諸島の石垣島・西表島の山頂付近のササ原に生息し,幼虫はリュウキュウチク
 (ゴザダケザサ・ギョウヨウチク)を食草とします。前翅長15〜22o。
 
ギフチョウ チョウ目アゲハチョウ科 日本固有種
 本州全域に分布し,成虫は陽光地,ヤブの濃くないところを好み,食草カンアオイの
 ある雑木林,スギの若い植林地を飛び回ります。カタクリ・スミレ・サクラなどの花
 を訪れ,"春の女神"と称されています。
 
ウスバキチョウ チョウ目アゲハチョウ科 日本固有亜種 国指定天然記念物
 北海道大雪山系や十勝連峰などの高地帯のガレ場にすみます。コマクサの葉・茎・花
 を食します。前翅長24〜32o。
 
ミカドアゲハ チョウ目アゲハチョウ科 日本固有亜種
 紀伊半島以南に分布し,照葉樹林帯に生えるオガタマノキやタイサンボクを主な食草
 としています。前翅長40〜50o。
 
ゴイシツバメシジミ チョウ目シジミチョウ科 国指定天然記念物
 九州や奈良県大台ケ原などに見られ,幼虫は照葉樹林のシイ・カシなどの着生植物で
 あるイワタバコ科シシンランの蕾と花と実を食します。前翅長11〜14o。
 
ルーミスシジミ チョウ目シジミチョウ科 日本固有亜種
 千葉県房総半島,紀伊半島以南の照葉樹林の奥深くにすみ,食樹ウラジロガシ,イチ
 イガシの梢を生活圏としています。前翅長13〜17o。
 
オガサワラシジミ チョウ目シジミチョウ科 日本固有種 国指定天然記念物
 小笠原諸島にのみ分布する特産種で,自然林が残されている山間部が主な生息地です。
 幼虫はオオバシマムラサキ・シマグワ・コブガシなどの花を食べ,葉は食べません。
 前翅長14〜18o。
 
チョウセンアカシジミ チョウ目シジミチョウ科 日本固有亜種
 岩手・山形・新潟県の低地に生息し,人家の裏庭林などで見られます。前翅長13〜21
 o。
 
キマダラルリツバメ チョウ目シジミチョウ科
 本州の岩手県から広島県に生息し,幼虫はハリブトシリアゲアリから密をもらって生
 活するため,アリの巣内に共生します。ハリブトシリアゲアリはサクラ類など一部が
 枯死した古木に造巣します。前翅長12〜18o。
 
オオルリシジミ チョウ目シジミチョウ科 日本固有亜種
 本州と九州の明るい草原や山の裾野に生活し,幼虫はマメ科のクララの花のみを食草
 とします。前翅長16〜21o。
 
カラフトルリシジミ チョウ目シジミチョウ科 日本固有亜種 国指定天然記念物
 北海道大雪山系,知床半島の高地帯のハイマツが点在する矮性植物群落に生息し,幼
 虫はクロマメノキ・ガンコウランなどの葉を食べます。前翅長12〜16o。
 
オオムラサキ チョウ目タテハチョウ科 日本固有亜種
 日本の国蝶として,北海道から九州まで分布しています。低地や雑木林に生息し,幼
 虫の食樹であるニレ科エノキ属の樹木と,成虫が樹液を吸うクヌギ・コナラなどの雑
 木林が必要です。
 
コノハチョウ チョウ目タテハチョウ科 日本固有亜種
 沖縄本島・石垣島・西表島の樹林地帯に生息し,幼虫は暗い湿った樹林下に生育する
 セイタカスズムシソウ・オキナワスズムシソウを食草とし,成虫は付近のミカンやア
 カメガシワなどの樹液を吸います。翅の裏が枯れ葉模様をしており,擬態の好例とし
 て有名です。前翅長45〜50o。
 
アカホシゴマダラ チョウ目タテハチョウ科 日本固有亜種
 奄美諸島の奄美大島・加計呂麻島・与路島・徳之島にのみ生息し,食樹クワノハエノ
 キの多い人家周辺や林縁のほか,山間部でも見られます。前翅長40〜53o。
 
フタオチョウ チョウ目タテハチョウ科 日本固有亜種
 沖縄本島中部から北部に生息する中型のタテハチョウで,食樹クワノハエノキが自生
 する海岸地帯や,食樹ヤエヤマネコノチチの多い低山地の樹林帯で見られます。前翅
 長40〜54o。
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