35a 日本名庭100選〈別選奈良〜沖縄〉
 
89  栗林公園
 @高松市 A国特別名勝 B江戸初期〜中期 C松平頼恭ほか D香川県
 栗林リツリン公園は,高松藩主の別邸としてつくられた,大名庭園の林泉廻遊式庭園です。
南庭の南湖は神仙三島,仙磯という尖った立石群,「飛来峰」と呼ばれる築山,北湖は
心字池の鶴亀二島,箱松と呼ばれる真四角に刈り込んだ松並などが見どころです。なお,
北庭は洋式化したグリーンの芝生のみです。
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90  天赦園
 @愛媛県宇和島市 A国名勝 B文久2年 C伊達宗紀 D伊達宗彰
 天赦園は,宇和島藩主伊達氏の別邸「浜御殿」につくられた廻遊庭の大名庭です。見
どころは,広い池泉と松を植えた蓬莱島,主人石の観音石,枯沢や海蝕石の奇石などの
技法を用いた枯山水,外部と遮断したクロマツなどの樹林,苑内の蘇鉄,イトフジなど
の植栽です。
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91  徳島城千秋閣庭園
 @徳島市 A国史跡・名勝 B桃山時代〜江戸初期 C蜂須賀家政・上田宗箇
 D徳島市
 阿波国は,枯山水庭や泉水庭の立石に欠くことのできない青石や赤石などの緑泥片岩
の産地です。徳島城の総石塁も,この緑泥片岩の石組で組んでいます。千秋閣庭園は,
巨大な青石や花崗岩の石橋などのある枯山水庭と,汐入りの廻遊式の林泉式庭とに二分
される広大な城郭庭園です。
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92  観音院庭園(付 興禅寺庭園)
 @鳥取市 A国名勝 B江戸中期 C― D観音院
 補陀落山観音院の庭園は,書院前庭として観賞式林泉式と廻遊式との併用であって,
このプランは江戸中期から後期に隆盛しました。石組は桃山期の豪宕の趣きを想わせ,
洗練された山水庭の秀逸した妙技を見せてくれます。また,背後の源太夫山の支脈を庭
園構成の一部分としています。興禅寺の書院前庭も観音院庭園同様,背後の久松山をと
り入れた優れた庭園です。
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93  深田氏庭園
 @鳥取県米子市 A県名勝 B鎌倉末期(伝) C― D深田家
 深田氏庭園は,鶴亀二島を中心とする蓬莱庭形式です。高さ六尺の主石をもつ三尊石
を直立させて築山の上に聳えさせ,東側にかけて池泉を形成させて,鶴島亀島を浮かべ,
東北の池尻において,磊々たる石組みの景山をつくっています。
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94  菅田庵庭園
 @松江市 A国史跡・名勝 B寛政2年 C松平不昧・有沢弌善ほか
 D有沢家・松江市
 菅田庵庭園は,有沢山荘庭園又は菅田村山荘庭園ともいいます。庭園は大名茶として
の庭としてつくられ,外露地と内露地に分けられ,その両者が一体となって,山荘の庭
園構成をなし,廻遊式庭の形式です。
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95  岡山後楽園
 @岡山市 A国特別名勝 B貞享4年 C池田綱政・津田永忠 D岡山県
 岡山後楽園は市内を貫く旭川の三角洲上に形成された近世大名庭園の大廻遊式庭園で,
東京の小石川後楽園,高松の栗林公園,金沢の兼六園などとともに江戸期における代表
的な林泉庭園です。同園は,岡山城の後庭,すなわち山里曲輪(風雅を楽しむための城
内の郭)として設けられたものです。
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96  頼久寺庭園
 @岡山県高梁市 A県名勝 B江戸初期 C伝小堀遠州 D頼久寺
 頼久寺庭園は,大刈込みのサツキの風景を越えて,臥牛山ののびやかな山稜の優美さ
と,松山城天守の景観を借景とし,また茶庭 =露地= の効果をも取り入れた,傑出し
た枯山水庭です。
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97  桂氏庭園
 @山口県防府市 A市名勝 B江戸中期 C― D桂家
 防府市の三田尻港の上,風光明媚な瀬戸内海を一望する右田ケ丘の麓に月の桂庭とし
て「兎子懐胎の石組」が有名な桂家の枯山水庭があります。右田ケ岳より産出した自然
石の特異な形状をしたものを立て,中心となるL字状の石は斬新な意匠です。
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98  石田城五島氏庭園
 @長崎県福江市 A― B安政5年 C五島盛成 D五島家
 石田城五島氏庭園は,城主五島家の,珍しい南国の大名庭園です。庭の中心に大きく
池泉を掘り,亜熱帯植物や鬼岳の溶岩などの特異な景物の純林泉庭,石組は枯山水の手
法など,また武家好みの雄健さをも現しています。
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99  仙巌園(付 花倉御仮屋庭園)
 @鹿児島市 A国名勝 B万治2年 C島津光久 D島津興業株式会社
 仙巌園は別名磯庭園ともいい,桜島を主景とする大名庭です。本庭の上段は書院前に
池泉を大きく巡らし,中島を浮かべます。下段は幽邃で,深山を思わせる,しっとりと
した作風の,枯山水庭を彷彿させます。同園の東方に花倉御仮屋庭園があり,滝石組,
沢流れの護岸が保存されています。
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100 石垣氏庭園
 @沖縄県石垣市 A県名勝 B江戸末期 C― D石垣家
 石垣氏庭園は,巧妙に石組された沖縄独特の珊瑚礁岩塊による石組の,わが国最南端
の純日本庭園です。純然たる枯山水庭で,庭一面に白砂(海岸砂)を敷き詰め,立石,
石組は珊瑚岩です。借景は,亜熱帯の常葉樹木で,外部との遮断は白壁塀です。
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                  参考:「日本名庭100選」秋田書店 THE END

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