学名解説(属名)[S〜T]
Sphaerophorus m.<g. sphaeros(球)+phoros(持つ)。球形の子器が出来るから。
サンゴコケ科
Sphaerotrichia f.<g. sphaero(球)+trichia(糸)。中軸糸は先端に丸い細胞が
あるから。ナガマツモ科
Sphagnum n.<1. 古いコケの名。蘚類
Sphenomeris n.<g. spheno(楔クサビ)+meris(部分)。小羽片(裂片)が楔形を呈
するから。ウラボシ科
Spicantopsis f.<属名 Spicanta(属名)+opsis(<g. 似)からなる語。ウラボシ
科
Spilanthes f.<g. spilos(色素,斑マダラ)+anthos(花)。二三の種類の花床に斑
点があるから。キク科
Spinacia f.<1. spina(刺)に由来する古名。果実を包む苞に二本の硬い刺があるた
め。アカザ科
Spiraea f.<g. speira(螺旋ラセン,輪)に由来するギリシャ名。初めは Ligustrum
vulgare に speiraia の名があった。後に今の属に転用。果実が螺旋状をなす種があ
るため。バラ科
Spiranthes f.<g. speira(螺旋)+anthos(花)。花穂が捩れるので花が螺旋状に
着くため。ラン科
Sprirodela f.<g. speira(螺旋,紐)+delos(明らかな)からなる語。ウキクサ科
Spodiopogon m.<g. spodios(灰色)+pogon(髭ヒゲ)。小穂の粗毛又は芒のことか
らか。イネ科
Sporobolus m.<g. sporos(種子)+ballein(投げる)。ばらばらに付いた粒に対す
る名。イネ科
Spuriopimpinella f.<1. spurius(異常の,適法でない)+Pimpinella(属名)。
Pimpinela に似るが異なるの意。セリ科
Stachys f.<g. stachyus(耳,又は穂状花)に由来する名。シソ科
Stachyurus m.<g. stachyus(穂)+oura(尾)。尾状に下がる花穂に対して付いた
名。キブシ科
Staphylea f.<g. staphyle(房又はブドウ)。総状の花序に基づく。ミツバウツギ科
Statice f.<g. statizo(止める)。この属の一種に下痢止めの効のあるものがある。
イソマツ科
Stauntonia f.<人名 イギリスの G.L.Staunton(1740〜1801)の名に因む。彼は医師
だが後に大使として中国に駐在した。アケビ科
Stellaria f.<1. stella(星)。花の形が星形をしていることから来たもの。ナデシ
コ科
Stemona f.<g. stemon(雄蘂)に由来する語。雄蘂が集まって先に顕著の附属物を付
ける特徴があることから来た名。ビャクブ科
Stenoloma f.<g. steno(狭い)+loma(縁辺)。小羽片が厚味があって葉緑部が極
めて狭く見えるから。ウラボシ科
Stephanandra f.<g. stephanos(冠)+andron(雄蘂)。雄蘂が冠状に宿存するか
ら。バラ科
Stephania f.<g. stephanos(冠)。雄花の雄蘂は楯状に癒合して冠に見えるから。
ツヅラフジ科
Stephanotis f.<g. stephanos(冠)+ous(耳)からなる合成語。ガガイモ科
Stereocaulon n.<g. stereo(硬直な)+caulon(茎)。植物体が樹枝状となるから。
ハナゴケ科
Stereodon m.<g. stereo(硬直な)+odons(歯)。蘚類
Stewartia f.<人名 イギリスの Bute侯 John Stuart(公式には屡々 Stewart と書か
れた,1713〜1792)の名に因む。ツバキ科
Sticta f.<g. stictos(点)。地衣体の裏に一面に点があるから。ヨロイゴケ科
Stigmatodactylus m.<g. stigma(柱頭)+dactylos(指)。芯柱の中央腹面に指状
になって柱頭が突出する特徴から。ラン科
Stipa f.<g. stype(麻屑,麻色の頭髪)。基準種の羽毛状の芒がアマ色をしていた
ことによる。イネ科
Stipellaria f.<g. stype(麻屑)。雌花の柱頭が突出した有様を云ったものか。ト
ウダイグサ科
Stokesia f.<人名 イギリスの植物学者Jonathan Stokes(1755〜1831)の名に因む。
キク科
Streptolirion n.<g. streptos(捩れ)+leirion(ユリ)。ユリに多少似た植物で
茎が絡み付くから。ツユクサ科
Streptopus m.<g. streptos(捩れた)+pous(足)。花の柄が捻れて葉の下に入る
から。ユリ科
Strobilanthes m.<g. strobilos(球果)+anthos(花)。松毬マツカサのように球果状
をなす花序に基づく。キツネノマゴ科
Struthiopteris f.<g. strouthion(小雀)+pteris(シダ)からなる語。ウラボシ
科
Styphnolobium n.<g. styphn(縛った,収斂性の)+lobos(片)。莢がところどこ
ろ括クビれていることから。マメ科
Stypopodium n.<g. stypos(毛の生えた)+podus(足)。アミジグサ科
Styrax m.<g. storax(安息香)を産出する樹木の古代ギリシャ名。エゴノキ科
Suaeda f.<ar. アラビア語で suad はソーダ。海岸に生えるから。アカザ科
Suhria f.<人名 南アフリカの海藻を調べた J.N.Suhr を記念した名。テングサ科
Suillus m.<1. suillus(豚の)。アミタケ科
Swertia f.<人名 1552年に生まれたオランダの植物学者Emanuel Swert に因む。リン
ドウ科
Symphyocladia f.<g. symphyes(結合する)+clados(枝)からなる名。フジマツモ
科
Symphytum n.<g. symphyton(癒合する)に由来するギリシャ古名。切り傷の薬とし
て薬効があるため。ムラサキ科
Symplocarpus m.<g. symploce(結合)+carpos(果実)。子房が集合した果実に合
着していることによる。サトイモ科
Symplocos f.<g. symplocos(結合した)。雄蘂の基部が癒合していることによる。
ハイノキ科
Syneilesis m.<g. 合着して巻いた子葉を持つと云う意味で名付けられた。キク科
Synurus m.<g. syn(合同)+oura(尾)。葯の下部尾状の附属物が合一して筒にな
るため。キク科
Syringa f.<g. syrinx(ユキノシタ科の Philadelphus の小枝で作られた笛のギリシ
ャ名)。最初 Philadelphus 属の名であったものが,後に全く異なる今の属に移され
たもの。モクセイ科
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