05 米国の森林環境テストの正解 1 b 54億人 2 b 正しくない 計画出産を奨励する人口抑制策にもかかわらず,世界の人口は次の世代には現在の2 倍になるものと予想されます。したがって,同時に世界の工業原料の需要も2倍になる でしょう。 3 c 木材 米国では現在他の原料よりもずっと沢山の木材が使われています。ミネソタ大学の自 然科学科のジェームス・ボイヤー博士によると,年間に消費される木材は,重量にして, 全ての鉄鋼,プラスティック,セメントを合わせたよりも多いということです。 4 c 木材 どの原料も環境に影響を与えずに生産することはできません。しかし,木材は,他の 原料に比べて次のような利点があります。 ・木材の生産過程で必要なエネルギーは,選抜肢のなかの他の原料に比べてあきらか に少ないといえます。目的が何であれエネルギーの消費は,種々の炭素化合物の放出に つながり温室効果を助長します。 ・木は,成長に伴い二酸化炭素を酸素に変え,製品となっても炭素を蓄積しています。 木材以外の原料でこのような効果が期待できるものはありません。 ・全ての資源は自然界から採取したり収穫したりしたものですが,その中にあって木 材だけが植林することによって再生することができる原料です。 ・木材は,再利用や,リサイクルが可能であり,土に還元されます。 5 a 正しい 他のほとんどの工業原料と同様に木材や木質繊維についても米国は輸入国です。1990 年の木材の実輸入量(総輸入量―総輸出量)は米国全体の消費量の20%にもなります。 6 どちらの答も正解です。 適切な手入れを怠らず適宜植林を行っていれば,木の伐採が環境に与える悪影響は規 模も小さく長く続くこともありません。しかし,森林を木材伐採のためだけにあると考 えて環境に対する配慮を怠ったり,植林を行わずに伐採を続けたときには,環境への影 響は深刻なものとなります。米国の環境法は厳しく,伐採者に対して各州の慣習法に従 って伐採後2〜3年以内に植林を始めとする森林管理を義務付けています。 7 b 正しくない 米国森林協議会によると,民有林から産出する木材は全米の木質繊維の消費量の80% を賄うことしかできません。さらに近い将来需要が50%増加するとすれば,民有林は最 大の管理努力をしたとしても60%の需要にしか対応できないでしょう。米国では,様々 な天然資源の供給を公有地に依存するところが大きく,木材の供給についても20〜40% を公有地に頼っています。 8 b 正しくない 紙のリサイクルはごみ処理の問題や天然資源の節約という観点からは大変意義のある ことです。しかしながら,再生の過程で木質繊維は品質が落ちるので,リサイクルによ って得られる実際の利点は見かけほど多くありません。前出のボイヤー博士によれば, 紙製品の需要の増加を加味すると,古紙の回収量が250%増加すると仮定した場合,リ サイクルによって減らすことのできる木材の消費は最大20%にすぎません。リサイクル によりどのくらい天然資源の消費を節約できるかを考えた場合,量に違いこそあれ,同 様の問題が鉄鋼やプラスティック,アルミニウム等の他の天然資源全てについて生じま す。 また,リサイクルをする場合,どの資源についても製造過程において環境に与える影 響のプラスとマイナスが考えられます。リサイクル製品について原料のうちに占める再 生物の割合を高めるときには,再生物の回収,処理,製造をするときに使われるエネル ギー消費,空気や水の排出,再生原料と混ぜて使用する再生することのできない原料の 消費が環境に与える影響をも考えなければならないとのことです。(出典:サイエンテ ィック・サーティフィケーション・システムズ) 9 a 66% 米国森林協議会によると,15世紀末に森林に覆われていた米国本土の2/3は,現在 も森林地帯です。減少した森林の大部分は,特に東部の都市部の拡大や農地にするため の開墾に伴って消滅したものです。 10 c 成長量が伐採量よりも37%多い。 農務省林野部の発表によると,1990年の森林の成長量は伐採量よりもおよそ37%多く なっています。この数字は毎年変化しますが,過去40年の間25%を下回ったことはあり ません。 11 b 正しくない ボイヤー博士によると,1970年以来米国で消滅した森林は約1%に過ぎず,そのほと んどは,都市部が拡大したためやハイウェイや送電線の建設等の社会基盤の整備による ものです。この場合でいけば,2050年までにあと2〜3%の森林が伐採され,他の目的 の用地として使用されることでしょう。しかしながら,いくつかの州では,森林面積が 実質的に減少しないような法律の成立が論議されていますので,この転用率はさら小さ くなりそうです。 12 a 1% 国立公園における商業目的の伐採は禁じられています。国有林においても1年間に伐 採される森林面積はとても少ないものです。1984年以来国有林の年間伐採面積の平均は, 30.8億uでこれは7730億uに及ぶ国有林全体の0.5%にすぎません。(出典:内務省国 立公園部,農務省林野部) 13 c 1/3 商業目的の木材を産出できる土地のうち公的機関が所有しているのは33%です。公的 所有地の大部分がある西部12州では,土地面積全体の半分以上,木材産出地域の70%以 上が公的所有となっています。(出典:農務省林野部,米国森林資源同盟) 14 c 20% 全国で商業用の木材を産出することができる公有地のうち20%は法律によって永久に 伐採が禁じられています。西部の州における割合も同じ位です。(農務省林野部) 15 e 600億uよりも多い オールドグロースの定義には色々な説がありますが,多くの森林科学者の一致した見 解は,自然の森林が人手を加えることなく森林自体で世代交代が行われている状態を指 しています。農務省林野部の発表によると,オレゴン州とワシントン州には332億uの 自然林があり,カリフォルニア州には少なくとも101億u,アイダホ州とモンタナ州に は約243億uの自然林があります。現存の自然林約650億uのうち半分は永久に伐採のた めに立ち入りが禁止されています。 16 e 1% 米国最大の政治色のない植林活動団体であるグローバルリリーフは,植林が予定され ていない民有地に今後数年間にわたり1億本の植樹をすることを目標としています。確 かにこのような活動は歓迎,奨励すべきです。しかしながら,この数字は,木材製品業 者,個人の林業従事者,連邦政府や州政府,地方の政府機関といった森林所有者によっ て毎年行われている植林の総量23億本の0.5%にも満たないことも認識すべきです。( 出典:米国森林協会,米国森林協議会,農務省林野部)
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