24a やぶ〈薮ヤブとは〉
 
 △”やぶ”という名の「ことわざ・たとえ」
 ・薮医者の薬味箪笥
  薮医者が霊硯ウニこうろを拾ったよう
  薮医者が七味調合するよう
  薮医者の玄関
  薮医者の手柄咄テガラバナシ
  薮医者の病人選び
 ・薮に捨子:子を捨つる薮はあれど身を捨つる薮なし
 ・薮の中にこうのもの:薮(土民間)にも智者ある意。
 ・薮の中で放屁
 ・薮力:馬鹿力。
 ・薮に目:「薮に目,壁に耳」
 ・薮に目くばせ:密告者に合図,又はよそ見する。
 ・薮から棒:唐突に事を行う。
 ・薮に馬鍬・薮で馬鍬:無理な事をする。
 ・薮の中の荊棘イバラ:人はその友の善悪につるる
 ・薮蛇:為さずともよき事を為して却つて不利を招く喩
 ・薮の外でも若竹育つ:血気盛なる者は困苦欠乏に耐ゆとの喩
 ・薮鼬イタチの耳の切れたる如し:人品の野鄙拙劣なるに喩ふ
 ・竹叢ヤブに蛇無かれ村に事なかれ:何事も忌ましき事なかれの意
 ・薮に方耙ホウヒ:竹林は根が交錯して,方耙にては鑿ち得し難し,以て人をその任に
  当らざる所へ使ふに喩ふ
 ・竹ヤブに矢を射るよう:手答えのない喩
 ・火吹竹の根は薮に在り:事を起こした張本人は意外な処にひそんで居る。事件の根
  元はとんでもない処にある。
 ・南に竹薮殿隣トノトナリ:日当たりが悪くよくない(いやなものの喩え。南に竹薮のあ
  るのもいやだが,隣に貴人のいるのもいやだという意)。
 ・薮の頭にも理屈がつく:盗人にも三分の理あり
 △”やぶ”という名の「ものがたり」
 ・舌切雀
 ・竹取物語
 ・竹姫
 ・竹の子童子
 ・竹伐爺タケキリジジイ
 ・竹斎チクサイ物語
 ・わがままお医者(薮庵)さん
 ・薮の鴬ウグイス
 ・筝争タケノコアラソイ
 ・竹薮の数の子
 △”やぶ”という名の「動物」
 ・やぶか(しまか):双翅目カ科ヤブカ属する昆虫の総称
 ・やぶきり:直翅目キリギリス科に属する昆虫
 ・やぶたぬし・やぶつぼ:カタツムリの方言
 ・やぶうぐいす・やぶすずめ
 ・やぶどり:燕雀目知目鳥科の鳥(台湾地方)
 ・やぶくぐり:ミソサザイなど薮をくぐること。
 △”やぶ”という名の「植物」
 ・ヤブウツギ:薮空木 スヒカヅラ科の潅木
 ・ヤブカラシ(ビンバウカヅラ):薮枯 ブダウ科の多年生蔓草
 ・ヤブカンゾウ:薮萱草 ユリ科の多年生草本
 ・ヤブコウジ(ヤブタチバナ・紫金牛):薮柑子 ヤブカウジ科に属する小潅木
 ・ヤブジラミ:原野・路傍に自生する繖形科の越年生草本
 ・ヤブソテツ:薮蘇鉄 ウラボシ科植物
 ・ヤブタビラコ:薮田平子 キク科に属する越年生草本
 ・ヤブタバコ:薮莨 キク科に属する潅木状草本
 ・ヤブデマリ:薮手毬 スヒカヅラ科に属する潅木
 ・ヤブニッケイ:薮肉桂 クスノキ科に属する常緑喬木
 ・ヤブニンジン(ナガジラミ):薮人参 草薮・路傍に自生する繖形科の多年生草本
 ・ヤブヘビイチゴ:薮蛇苺 イバラ科の匍匐性多年草
 ・ヤブマオウ:薮麻黄 イラクサ科に属する多年生草本
 ・ヤブマメ(ギンマメ):薮豆 マメ科の多年生蔓草
 ・ヤブミョウガ:薮茗荷 ツユクサ科の多年生草本
 ・ヤブムラサキ:薮紫 クマツヅラ科の潅木
 ・ヤブラン:薮蘭 ユリ科の多年生草本
 ・ヤブサンザシ:薮山櫨子 ユキノシタ科の落葉潅木
 △”やぶ”という名の「薬用植物」
  植物名   生薬名     薬効部 薬効・用途
 ・ヤブジラミ 蛇牀子(和産) 果実  陰萎,強壮薬
 ・ヤブソテツ  貫衆            根茎    止血,駆虫薬                      
 ・ヤブタバコ  鶴蚕?           果実    条虫駆除,蚯蚓ミミズを殺す          
 ・ヤブラン  大葉麦門冬   根塊  ジャノヒゲに同じ                      
 ・ジャノヒゲ 小葉麦門冬      根塊    鎮咳,解熱,強壮剤,催乳。        
 
                    参考 「やぶ」農林出版株式会社発行
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