03k 日本の自然100選
 
  92 文殊仙寺の自然林 ― 仏教文化と調和して(大分県)
 
 文殊山(617m)の中腹にあります天台宗の文殊仙寺モンジュセンジの境内は,かつて山岳
仏教文化が栄えた国東半島の面影を残し,うっそうとした木立の緑と静けさが,訪れる
人々の心を安らかにしてくれます。
 植物:ウラジロガシ,スギ,ケヤキ,サカキ,ツバキ,シダ類,コケ類
 動物:ヒヨドリ,メジロ,オオルリ,キビタキ,アオバズク,サシバ
 
  93 黒岳 ― 自然林がうっそうとして(大分県)
 
 大分郡にあります黒岳クロダケ(1587m)は,全山がブナやケヤキ,シャクナゲなどの自
然林に覆われ,四季折々に装いを変えるおしゃれな山です。
 植物:ブナ,ケヤキ,カエデ類,オヒョウ,ツクシシャクナゲ,ミヤマキリシマ,ス
スキ
 動物:ヤイロチョウ(鳥),オオルリ,キビタキ
 
  94 祝子川渓谷 ― 巨石は神様のいたずら?(宮崎県)
 
 東臼杵郡にあります祝子川ホウリガワ渓谷は,直径数十mもある花崗岩の巨石がゴロゴロ
しており,その間を渓流が縫います。
 この川の下流域の山において,ニニギノミコトの子どもがお生まれになったという言
い伝えが残っています。神の子の誕生を祝った神聖な川です。
 植物:カシ,シイ,タブ,ヤマハゼ,カエデ,ゴヨウマツ,モミ,アケボノツツジ,
フジツツジ,ミツバツツジ,アセビ
 動物:ニホンカモシカ,ニジマス,ヤマメ
 
  95 綾渓谷の照葉樹林 ― 自然の深みと陰影と(宮崎県)
 
 宮崎県を東西に横切る大淀川の支流綾アヤ北,綾南両川の流域には,カシ,シイ,タブ,
ツバキなどの照葉樹林が広がっています。自然の深みと温もりをたたえた陰影を持った
林相は,さながら「自然が作った箱庭」です。
 植物:カシ,シイ,タブ,ツバキ
 動物:ニホンザル,シカ,リス,ムササビ,ヤマネ,ニホンカモシカ
 
  96 高隈山の照葉樹林 ― 「最後まで残して」の祈り(鹿児島県)
 
 高隈山タカクマヤマは桜島の南東にあり,この桜島火山と高さを競う形で1000m級の比較的
険しい高峰が連なっています。これを「大隈半島の屋根」と呼んでいます。この山稜か
らは,志布志湾,東シナ海,屋久島まで展望でき,昔からその自然を愛して訪れる人が
多いです。
 植物:スダジイ,イスノキ,アカガシ,ブナ,ミヤマキリシマ,タカクマホトトギス
(ユリ科),タカクマヒキオコシ
 
  97 屋久島の自然林 ― 照葉樹林と”ヤクスギ”(鹿児島県)
 
 屋久島ヤクシマの自然林はシイ,タブなどの照葉樹林と標高750〜1700mにかけて分布しま
す屋久杉原生林に代表されます。標高1935mの九州最高峰宮之浦岳をはじめ,永田岳,
黒味岳などの高峰が連なる地形に加えて,年間降雨量が平地で4000o,山間部で8000o
を超える気候条件は,樹木の生育に最適です。
 植物:スギ(ヤクスギ,コスギ),カシ,シイ,タブ,アコウ,マングローブ,ガジ
ュマル,ヤマグルマ,ヤクシマシャクナゲ,ヤクザサ
 動物:ヤクシカ,ヤクザル
 
  98 八重岳 ― サクラ前線の出発点(沖縄県)
 
 八重岳ヤエダケは,沖縄本島北部・本部半島にあり,那覇から約90q,標高453mです。
一帯には約24000本のヒカンザクラが植えられています。
 植物:ヒカンザクラ
 
  99 石垣島・川平湾 ― 七色に変わる海の色(沖縄県)
 
 石垣イシガキ市は,沖縄本島から南へ約430qにあります。広さ227平方q,約60の島か
らなる,県内では3番目に大きい島です。市街地から西北へ16qほどのところに川平湾
カビラワンがあります。
 植物:ディゴ,リュウキュウマツ,ヤエヤマヤシ,ハイビスカス
 動物:イカ,タコ,ルリスズメ,キイロハギ,サンゴ類
 
 100 西表島 ― ”東洋のガラパゴス”(沖縄県)
 
 西表島イリオモテジマは,生きた化石といわれる国の天然記念物「イリオモテヤマネコ」の
生息地として知られています。
 沖縄本島の次に大きい島で,面積は約284平方q,島の9割は原生林です。ヤエヤマ
ヤシ,マングローブ,ヒルギなど亜熱帯の樹林に覆われ,わが国で最も原始的な自然が
残された秘境です。
 植物:ヤエヤマヤシ,マングローブ,ヒルギ,サキシマスオウ,ヒメツルアダン,ニ
ッパヤシ,ヒカゲヘゴ,リュウビンヌイ,イタジイ,ラン類,シダ類
 動物:イリオモテヤナネコ,カンムリワシ,トビハゼ,オオガニ,ヤシガニ,ナキオ
カヤドカリ
 
                 参考 「日本の自然100選」朝日新聞社発行
 
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